ささき公認会計士事務所 幼稚園・認定こども園の監査専門 無料相談

改正私立学校法で変わった評議員会 — 理事との兼職禁止・評議員の人数と構成・園がする寄附行為の見直しと期限

「うちの園は理事が評議員も兼ねているが、そのままで大丈夫か」— 令和7年4月に施行された改正私立学校法で、評議員会の位置づけと評議員の資格・構成が変わりました。幼稚園・認定こども園を運営する学校法人(知事所轄)が確かめておきたい点を、条文と文部科学省の説明資料から整理しました。

この記事の要点

  • 改正後は理事が監事・評議員を兼ねられなくなった。文部科学省の説明資料では、理事と評議員の兼職は令和7年度の定時評議員会の終結の時を境に「必須」から「禁止」に変わるとされている
  • 評議員は6人以上で、理事の定数を超える数を寄附行為で定める(18条3項)。職員である評議員は総数の3分の1まで、理事・理事会が選ぶ評議員は2分の1まで(62条5項)
  • 評議員会は理事会に意見を述べ、監視する機関。寄附行為の変更は理事会の決議の前に評議員会の意見を聴く(108条2項)。評議員の構成の経過措置は、知事所轄の法人では令和9年度の定時評議員会の終結の時まで

評議員会は「決める機関」ではなく「意見を述べ、監視する機関」

改正法は、執行(理事会)と監視・監督(監事・評議員会)の役割を分ける考え方で組み立てられています。評議員会は全ての評議員で組織し、学校法人の業務や財産の状況、役員の職務の執行について役員に意見を述べ、諮問に答え、法律で意見聴取や決議を要するとされた事項について意見を述べ、決議します(私立学校法66条)。

法律で評議員会の意見聴取や決議を要するとされた事項について、「要しない」と寄附行為で定めることはできません(66条3項)。理事会が意思決定機関であることは変わりませんが、評議員会を通さずに進められる範囲は狭くなりました。

改正で変わった評議員・評議員会の主な決まり(知事所轄の学校法人)
項目改正後の決まり根拠
理事との兼職理事は監事・評議員を兼ねられない私立学校法31条3項
評議員の定数6人以上で、理事の定数を超える数を寄附行為で定める18条3項
職員の評議員職員である評議員は総数の3分の1まで62条5項1号
理事・理事会が選ぶ評議員総数の2分の1まで62条5項2号
特別利害関係のある人役員や他の評議員と特別利害関係を持つ者と子法人の役職員は合計で総数の6分の1まで。評議員は他の2人以上の評議員と特別利害関係を持てない62条4項・5項3号
任期寄附行為で定める期間(6年以内)の最終の会計年度の定時評議員会の終結の時まで63条
寄附行為の変更理事会の決議で決めるが、あらかじめ評議員会の意見を聴く。軽微な変更を除き所轄庁の認可が必要108条

理事が評議員を兼ねている園 — 令和7年度の定時評議員会で解消する

改正後の私立学校法では、理事は監事や評議員を兼ねられません(31条3項)。文部科学省の説明資料では、理事と評議員の兼職者については令和7年度の定時評議員会の終結の時を境に「必須」から「禁止」に変わるため、その時が兼職解消の期限だとされています。

評議員の資格や構成に関する要件への対応も、同じく令和7年度の定時評議員会の終結の時までとされています。ただし評議員の構成(職員の割合など)については経過措置があり、大臣所轄学校法人等以外の学校法人では令和9年度の定時評議員会の終結の時で経過措置が終わるため、必要があればその時までに評議員の選任・解任などの対応を行うとされています。

評議員の構成 — 人数の上限は「総数に対する割合」で見る

評議員には、その学校法人の職員と、設置する私立学校を卒業した25歳以上の者(いる場合に限る)が含まれていなければなりません(62条3項)。一方で職員である評議員は総数の3分の1までです。園長や主任が評議員に入っている園では、評議員の総数に対する割合を数えておく必要があります。

寄附行為の見直し — 意見聴取と認可、そして所轄庁の案内

寄附行為の変更は理事会の決議で決めますが、理事会はあらかじめ評議員会の意見を聴かなければなりません(108条1項・2項)。変更は、軽微なものを除いて所轄庁の認可を受けなければ効力を生じません(108条3項)。

文部科学省の説明資料では、知事所轄の学校法人の寄附行為の見直しは、文部科学省による寄附行為作成例の改正のあと、都道府県による審査基準の改正などを経て進む流れが示されています。園の寄附行為の変更は、所轄庁(都道府県)の様式と受付の案内に沿って進めることになります。

まとめ — 3つの期限を園の年間予定に置く

確かめることは3つです。理事と評議員の兼職が残っていないか、評議員の人数と構成が割合の上限に収まっているか、寄附行為が改正法の内容に合っているか。期限はいずれも定時評議員会の終結の時で決まるため、決算を諮る定時評議員会と同じ予定に載せておくと抜けません。あなたの園の評議員名簿は、どの項目から見直すでしょうか。

定時評議員会の日程から逆算して、まず理事名簿と評議員名簿を並べてみてください。役員構成や寄附行為の点検は会計監査の場面でも話題になることがあり、園の実情に沿った進め方は無料相談でお話しできます。

ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。

交代のご相談 (無料・守秘義務あり)

※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。

お知らせ・コラムの一覧へ戻る