「1号と2号で、園に入るお金は何が違うのか」— 施設型給付を受ける幼稚園・認定こども園の収入は、子どもの認定区分ごとに公定価格が決まり、そこから利用者負担額を引いた額が施設型給付費として市町村から入ります。認定区分の意味、給付費と利用者負担の関係、無償化後に園が保護者から集めるものを整理しました。
1号・2号・3号認定と園の収入 — 認定区分で施設型給付費と利用者負担がどう違うか
この記事の要点
- 認定は3区分。1号は満3歳以上で保育を必要としない子ども、2号は満3歳以上で保育を必要とする子ども、3号は満3歳未満で保育を必要とする子ども(子ども・子育て支援法19条)
- 園の収入は「公定価格(基本分単価 + 加算 − 減算) = 施設型給付費 + 利用者負担額」の形。無償化で3〜5歳の利用者負担額はゼロになり、その分は給付費として市町村から入る
- 保護者から集めるのは、副食費・主食費などの実費と、園が定めた特定負担額。1号の預かり保育は施設等利用給付という別の給付で、月額1.13万円が上限
認定区分 — 年齢と「保育の必要性」で3つに分かれる
子どものための教育・保育給付は、市町村の認定を受けた子どもの保護者に対して行われます。区分は、満3歳以上で保育を必要としない1号、満3歳以上で保護者の労働や疾病などの事由により家庭で必要な保育を受けることが困難な2号、満3歳未満で同じ事由がある3号の3つです(子ども・子育て支援法19条)。
幼稚園は1号の子どもを受け入れ、認定こども園は1号・2号・3号を受け入れます。同じ3歳児でも、保護者の就労などで2号認定を受ければ利用の時間が長くなり、公定価格の単価も変わります。
| 区分 | 対象 | 利用の時間 | 利用者負担(月額・無償化後) | 園に入る施設型給付費 |
|---|---|---|---|---|
| 1号 | 満3歳以上・保育の必要性なし | 教育標準時間 | 0円(3〜5歳) | 公定価格の全額 |
| 2号 | 満3歳以上・保育の必要性あり | 保育標準時間 / 保育短時間 | 0円(3〜5歳) | 公定価格の全額 |
| 3号 | 満3歳未満・保育の必要性あり | 保育標準時間 / 保育短時間 | 市町村が所得に応じて定める額(住民税非課税世帯は0円) | 公定価格 − 利用者負担額 |
施設型給付費は、公定価格(子どもの年齢・認定区分・利用定員の規模・地域区分などで決まる基本分単価に、加算と減算を加えた額)から利用者負担額を引いた額です。給付は法律上は保護者に対する給付ですが、園が市町村から直接受け取る仕組みになっています(子ども・子育て支援法27条)。
無償化で変わったこと — 利用者負担がゼロになり、給付費が増えた
令和元年10月の無償化で、3〜5歳の1号・2号の子どもの利用者負担額(保育料)は無償になりました。園の収入で見ると、保護者から集めていた保育料の分が施設型給付費に置き換わり、市町村から入る額が増えた形です。0〜2歳の3号は、住民税非課税世帯の子どもだけが無償です。
無償化の対象は保育料で、食材料費・通園送迎費・行事費などの実費は対象外です。3〜5歳の主食費・副食費は施設による徴収が基本になり、年収360万円未満相当の世帯と第3子以降の副食費は免除(公定価格で加算)されます。
1号の預かり保育 — 施設型給付とは別の「施設等利用給付」
1号認定の子どもが預かり保育を使う場合、保護者が保育の必要性の認定(施設等利用給付認定)を受けると、預かり保育の利用料が利用の実態に応じて月額1.13万円までの範囲で無償化の対象になります。満3歳になった日から最初の3月31日までの住民税非課税世帯の子どもは、上限が月額1.63万円です。これは施設型給付費とは別の施設等利用給付で、園は預かり保育の利用料を受け取り、市町村が施設等利用費を支給します。
支払方法は市町村が定めます。特定教育・保育施設については現物給付(園が利用料を受け取らず、市町村から施設等利用費を受ける形)が原則で、保護者が払ったあとで市町村から受け取る償還払いを取る市町村もあります。園の会計では、どちらの方法かで収入の相手先と時期が変わります。
認定区分ごとに収入を見通す
区分ごとの人数を月ごとに置く
1号・2号・3号(さらに年齢別)の在籍人数を月ごとに並べる。年度途中の入退園も反映する
公定価格を当てはめる
告示の単価表から、地域区分・定員規模・年齢区分の基本分単価と、園が受け取れる加算・減算を当てはめる
利用者負担額を引く
3号は市町村が定めた利用者負担額を引く。3〜5歳の1号・2号は0円
実費と特定負担額を足す
副食費などの実費(免除分は加算)と、園が定めた特定負担額を足す。1号の預かり保育の利用料と施設等利用費は別枠で置く
まとめ — 「人数 × 単価」の表から収入の構造をつかむ
園の収入は、認定区分ごとの公定価格から利用者負担額を引いた施設型給付費が土台で、無償化後は3〜5歳の分が全額給付費として入ります。そこに実費と特定負担額、1号の預かり保育の施設等利用費が加わります。認定区分ごとの人数の動きを月ごとに置いて、収入の見通しを一度作ってみてください。あなたの園の収入のうち、給付費の割合はどのくらいでしょうか。外部監査費加算を含む加算の試算は、シミュレーションで確かめられます。
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
外部監査費加算を試算する →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。