これまで3つに分かれていた処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが、令和7年4月から「処遇改善等加算」として1つにまとまりました。この記事では、一本化で何が変わったのか、園の事務で確認しておきたい点を整理します。

この記事の要点

  • 令和7年4月1日から、処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが「処遇改善等加算」に一本化された
  • ねらいは制度の簡素化と、園・自治体の事務負担の軽減
  • 要件は区分1〜3として整理。就業規則などの根拠規定の書面整備と職員への周知がカギ

何が変わったのか

保育士・幼稚園教諭などの処遇改善のための加算は、平成27年度以降、処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲという3つの制度が積み重なってきました。国の通知は、この状態について「制度が複雑でわかりにくく、事務作業が煩雑で、多大な事務負担が発生しているという指摘がなされてきた」と率直に述べています。

そこで、申請書類の簡素化・統一化などを通じて手続の負担を軽くする方針のもと、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを「処遇改善等加算」として一本化することになりました。新しい通知 (令和7年4月11日付) は令和7年4月1日から適用され、従来の通知は廃止されています。

一本化後のかたち — 要件は区分1〜3に整理

一本化後の処遇改善等加算では、加算を受けるための要件が区分1〜区分3として整理されています。たとえば区分1の中心は、従来「キャリアパス要件」と呼ばれてきた内容で、おおむね次の2本柱です。

  1. 職位・職責・職務内容に応じた勤務条件と賃金体系を定め、就業規則等の書面で根拠規定を整備し、全職員に周知していること
  2. 職員と意見を交換しながら資質向上の目標と研修計画を策定し、研修の実施または機会の確保を行い、全職員に周知していること

なお通知には、令和7年度に限りキャリアパス要件に適合しない場合は、区分2の割合からキャリアパス要件分の割合を減じるという経過的な取り扱いも定められています。初年度は移行期間としての柔らかさを持たせつつ、要件そのものは維持されている形です。

園の事務で確認しておきたい3点

一本化を機に確認しておきたい事項
確認する事項見るもの
賃金体系・勤務条件の根拠規定が書面で整備され、全職員に周知されているか就業規則・給与規程
資質向上の目標と研修計画が策定され、実施・周知されているか研修計画・実施の記録
加算の区分ごとの要件を、新通知の様式で満たせているか自治体へ提出する計画・報告の書類

制度が1つになったとはいえ、賃金改善の計画・実行・記録という基本の流れは変わりません。むしろ様式が新しくなる移行期こそ、記録の抜けが起きやすいタイミングです。

監査の現場から見た一本化

処遇改善等加算は金額が大きく、職員の賃金と直結するため、会計監査でも自治体の指導監査でも確認の中心になりやすい領域です。加算のお金が計画どおり職員に届いているか、根拠となる規程や記録が整っているか — 一本化後の新しい様式に沿って、早めに手元の書類を整えておくことをおすすめします。

園の会計監査をお引き受けしている園では、こうした加算まわりの記録の整え方も、監査の中で気付いた点として随時お伝えしています。