初めて外部監査を受けることになったが、1年間で何がどの順に起きるのか分からない — 見通しが持てないことが、監査への不安のいちばんの原因です。この記事では、監査1年目の流れを時期ごとに整理し、園がすることを具体的に示します。
この記事の要点
- 1年目の監査は「園の仕組みを知ってもらう年」。契約 → 期中 → 期末 → 報告の4段階で進む
- 園がすることは、資料の用意とヒアリングへの回答が中心。特別な準備はいらない
- 気付いた点はその都度共有される。決算のあとに突然だめ出しされる形にはならない
全体の流れ — 4つの段階
監査は決算のときだけ来るもの、と思われがちですが、実際は1年を通じたお付き合いです。おおまかな流れは次のとおりです。
| 時期 | 監査側がすること | 園がすること |
|---|---|---|
| 契約のころ | 園の概要のヒアリング・監査計画づくり | 園の基本情報・計算書類の用意 |
| 期中 (年度の途中) | お金の流れと事務の仕組みの確認 | 質問への回答・帳簿や書類の提示 |
| 期末 (決算) | 決算数値の検証・残高の確認 | 決算資料の提供・質問への回答 |
| 報告 | 監査報告書の提出・気付いた点の説明 | 理事会等への共有 |
1年目は「仕組みを知ってもらう年」
初年度の監査では、数字の検証に入る前に、園のお金がどう動いているのか (保育料や給付費の入り方・給与や経費の払い方・決裁の流れ) を会計士が把握することから始まります。
このため1年目は、2年目以降に比べてヒアリングの時間が多めになります。逆に言えば、園の実務を説明できる方 (事務長など) がいれば、それで足ります。会計の専門知識を園側が新たに身につける必要はありません。
園側の負担はどのくらいか
園がすることは、大きく2つだけです。
- 資料を用意する — 何が必要かは会計士が一覧で案内します。日ごろの帳簿と書類がそのまま使えるので、監査のために新しく作る資料は基本的にありません
- 質問に答える — 「この支出の決裁は誰がしますか」「この収入の根拠は何ですか」といった、実務をそのまま答えられる質問が中心です
訪問の日数は園の規模によりますが、小規模な園なら期中・期末それぞれ数日程度に収まるのが一般的です。
「あら探し」ではなく「仕組みの点検」
監査と聞くと、間違いを指摘されて叱られる場面を想像されるかもしれません。実際の監査は、園のお金の管理の仕組みがきちんと回っているかを点検し、弱いところがあれば直し方まで一緒に考える仕事です。
気付いた点はその都度お伝えするので、決算が終わったあとに初めて問題が判明する、という形にはなりません。1年目に事務の流れを整えておけば、2年目以降の監査はぐっと軽くなります。
Q. 会計処理に自信がないのですが、監査を受けて大丈夫でしょうか。
大丈夫です。整っていない部分が見つかることは、初年度ではむしろ普通のことです。監査は現状を把握して改善につなげるための仕組みなので、自信がない状態こそ、監査を入れる意味があります。
Q. 監査費用の準備が必要ですか。
施設型給付を受ける園なら、外部監査費加算が費用を手当てします。監査報酬が加算の範囲に収まっていれば、園の実質的な持ち出しはありません。