毎年きちんと監査を受けているのに、園に何が残っているのかよく分からない — そんな園は少なくありません。この記事では、いま受けている監査の品質を園の側から見分ける5つのサインを紹介します。
「監査は受けて終わり」になっていないか — 監査の品質を見分ける5つのサイン
この記事の要点
- 監査の品質は専門知識がなくても見分けられる。手がかりは「園に何が残っているか」
- 何年も指摘や提案がゼロ、決算後の1回だけ、質問に説明がない — は見直しのサイン
- 不満が確信に変わる前に、セカンドオピニオンで外の目を入れる方法がある
「受けて終わり」の監査とは
監査報告書は毎年もらっている。でもそれ以外に、園の事務や数字の扱いが変わった記憶がない — これが「受けて終わり」の監査の典型です。
監査の成果物は報告書だけではありません。年間を通じて数字が点検され、弱い部分が先に直っていくことこそ、園が監査から受け取るべきものです。
以下の5つのサインは、専門知識がなくても園の側から確かめられます。ご自身の園に当てはまるものがないか、順に見てみてください。
サイン1 — 指摘も改善の提案も、何年も無い
園の事務は毎年少しずつ変わります。担当者の交代、制度の改正、新しい集金方法。変化があるのに何年も指摘ゼロが続くなら、深く見ていない可能性を疑ってよいところです。
逆に、小さくても毎年「ここをこう直すとよい」が届く監査は、実際に手を動かして見ている監査です。
サイン2 — 来るのは決算のあとの1回だけ
決算が固まったあとに1回だけ来て書類を見る形だと、誤りが見つかっても決算に反映する時間がありません。
年度の途中に一度でも関与があるか、決算前に論点の相談ができるか。時期の設計は監査の品質がいちばん表れやすい部分です。
サイン3 — 質問への答えが「決まりですから」で終わる
処理の理由を尋ねたとき、園の言葉でかみ砕いた説明が返ってくるかどうか。
説明できない監査は、園の実情に合わせて考えていない監査です。答えが毎回「決まりですから」「昔からこうです」で終わるなら、園として質問しづらくなり、疑問がたまっていきます。
サイン4 — 結果が事務室止まりになっている
監査の結果や指摘が、事務の担当者のところで止まり、理事長や園長に届いていない形です。
監査で分かったことは、園の運営を預かる理事会・評議員会の場にも共有されてこそ役立ちます。報告書の内容を口頭でかみ砕いて説明する機会があるかも、確かめたいポイントです。
サイン5 — 費用の説明が明細と合っていない
監査報酬の根拠 (日数・人数・作業の範囲) が説明できるか。外部監査費加算を使っている園なら、加算の範囲と報酬の関係が毎年説明されているか。
金額そのものの高い安いより、説明がつくかどうかが品質のサインです。
サインに当てはまったら — 外の目を入れる
当てはまるサインがあっても、すぐに交代と決める必要はありません。まず別の会計士に現状を見てもらうセカンドオピニオンという方法があります。
いまの監査に何が足りないのか、それは園側の準備の問題なのかを、契約を動かす前に整理できます。
Q. 指摘がゼロなのは、園の事務が優秀だからではないのですか。
その可能性もあります。ただ、事務が整っている園ほど「次はここを良くできる」という提案が出せるものです。指摘も提案も何年もゼロという状態は、どちらにしても情報が少なすぎます。
Q. 長年お願いしている先生に不満を伝えるのは気が引けます。
不満を直接伝える前に、外部のセカンドオピニオンで現状を客観視する方法があります。守秘義務があるため、相談したこと自体が現在の先生に伝わることはありません。
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。