いまお願いしている監査の報酬は、高いのか安いのか — 監査報酬は公表されるものではないため、よその園と比べる機会がなく、判断のしようがないのが実情です。この記事では、園監査の報酬を測るための現実的なものさしを紹介します。

この記事の要点

  • 監査報酬の「相場」は外からは見えない。だからこそ客観的なものさしが要る
  • いちばん確かなものさしは外部監査費加算。国が「監査に必要な費用」として設計した金額
  • 報酬が加算を大きく超えているなら、理由を確認する価値がある

なぜ相場が見えないのか

園の監査報酬は、園と会計士の個別の契約で決まり、金額が公表されることはありません。園の規模・施設数・会計の整い具合で作業量も変わるため、「1園あたりいくら」という一律の相場は、そもそも成り立ちにくいものです。

その結果、長年続いてきた報酬額が妥当かどうか、園の側から検証する手段がないという状態が生まれがちです。

ものさし1: 外部監査費加算の水準

施設型給付を受ける園にとって、いちばん客観的なものさしは外部監査費加算です。これは国が公定価格の中で「外部監査の費用」として設計した金額であり、園の規模 (利用定員) ごとに単価が決められています。

外部監査費加算の年額の目安 (令和8年度単価)
園の例加算の年額
幼稚園・定員30人・3月の利用28人396,480円
幼稚園・定員90人・3月の利用85人443,700円
認定こども園・定員200人・3月の利用190人533,900円

規模によらず、おおむね年37万〜62万円程度に収まる設計です。ご自身の園の金額は、当サイトのシミュレーションですぐに確かめられます。

ものさし2: 作業量に見合っているか

同じ定員でも、施設が複数ある法人や、会計の体制づくりから支援が必要な園では、監査の作業量は増えます。報酬が加算より高い場合は、どんな作業にどれだけの日数をかけているのかの説明を求めてみてください。納得できる説明があれば、それは適正な報酬です。

逆に、説明がないまま「昔からこの金額なので」と続いているなら、見直しを検討する合図です。

安すぎる監査にも注意

報酬は安いほどよい、とも言い切れません。監査には最低限必要な手続きがあり、極端に安い報酬は、十分な監査が行われていないことの裏返しである場合があります。「監査を受けて終わり」で、気付いた点の説明が何もない監査になっていないかも、金額と合わせて見てください。

Q. 報酬の見直しは、いまの先生に切り出してもよいものですか。

構いません。ただ、長いお付き合いの中で金額の話は切り出しにくいのも実際のところです。別の会計士から見積りを取り、客観的な比較材料を持ってから考える方法もあります。見積りを取ったことが現在の先生に伝わることはありません。

Q. 弊所に頼んだ場合の報酬はいくらですか。

基本的に外部監査費加算と同額です。加算の範囲で監査をお引き受けするため、園の実質負担はありません。すでに監査を受けている園からの交代の場合も、現在の報酬より高くなることはありません。