監査の当日、会計士は園で何をしているのか — 初めて監査を受ける園にとっては、当日の様子が見えないこと自体が不安のもとです。この記事では、監査当日 (往査) の典型的な流れと、園側の対応のしかたを説明します。

この記事の要点

  • 当日の中心は、帳簿と書類の突き合わせ・質問・現物の確認の3つ
  • 園側は事務の分かる方が1名対応できれば足りる。終日付きっきりでなくてよい
  • その日のうちに気付いた点の共有がある。質問には分かる範囲で答えれば十分

当日の典型的な流れ

監査当日は、おおむね次のように進みます。

監査当日の流れの例
時間帯していること
午前あいさつ・当日の予定の確認・帳簿と書類の突き合わせ
昼すぎ質問への回答 (決裁の流れ・取引の内容など)
午後現物の確認 (通帳・現金・固定資産など)・追加資料の確認
終わりごろその日に気付いた点の共有・宿題 (後日確認事項) の整理

日数は園の規模によりますが、時間の多くは会計士が資料と黙々と向き合う作業です。園の方がずっと同席している必要はなく、質問のあるときに声を掛けられる体制であれば十分です。

よくある質問のされ方

会計士からの質問は、たとえば次のようなものです。

  • この支出は、誰がどの段階で決裁していますか
  • この収入は、何にもとづいて入金されていますか
  • 現金はどこで、誰が管理していますか
  • この修繕は、どの施設のどの部分のものですか

いずれも、園の実務をそのまま答えられる質問です。その場で分からなければ「確認して後日回答」でまったく問題ありません。取り繕った回答よりも、正確な回答のほうが監査は早く進みます。

現物の確認は「疑っているから」ではない

通帳や現金を実際に見せてもらう手続きは、監査の基本動作であり、どの園でも必ず行います。園を疑っているからではなく、帳簿の数字が実物と合っていることを会計士自身の目で確かめるのが監査という仕事だからです。

金庫や通帳の保管場所をあらかじめ確認しておいてもらえると、この手続きは数分で終わります。

終わったら — その日のうちに共有

1日の終わりに、その日に気付いた点と、後日確認したい事項の共有があります。指摘は「何が・なぜ・どう直すか」のセットで伝えられるべきものなので、理由の分からない指摘があれば遠慮なく聞き返してください。

当日共有された気付きは、後日の監査報告や改善提案につながっていきます。当日の会話がそのまま園の事務改善の材料になるのが、よい監査の姿です。

Q. 対応するのは理事長でないとだめですか。

日々の事務が分かる方 (事務長・事務担当の方) が適任です。理事長・園長には、あいさつと、経営判断に関わる質問があるときにお時間をいただく程度で足ります。

Q. 保育の現場も見られますか。

会計監査の中心は会計の記録と書類なので、保育室に長時間入ることはありません。園の全体像を知るために施設内を一巡させていただくことはありますが、保育の妨げにならない形で行います。