監査の会計士の交代を考え始めたものの、長年お世話になっている今の先生に知られたくない — 交代のご相談で、実はいちばん多く聞く心配ごとです。この記事では、相談が伝わらない理由と、関係を壊さずに検討を進める段取りを整理します。
交代の相談を今の先生に知られたくない — 心配のいらない理由と進め方
この記事の要点
- 相談の事実も内容も、今の先生に伝わることはない。会計士には守秘義務がある
- 「検討する段階」と「伝える段階」を分ければ、関係を保ったまま進められる
- 今の先生に伝えるのは、後任の引き受け見込みが立ってから。順番を守れば角は立たない
相談したことが伝わる心配はない
まず結論から。交代の相談をしたことが、今の先生に伝わることはありません。
公認会計士には職業上の守秘義務があり、相談で知り得たことを外に漏らすことはできません。これは監査契約を結んだ相手だけでなく、相談段階の相手に対しても同じです。
また、相談は契約ではありません。話を聞いて「今のままでよい」と判断されたら、そこで終わりにして構いません。相談したからといって、交代しなければならなくなるものでもありません。
「知られたくない」と感じるのは自然なこと
先代の頃からのお付き合い、園の事情をよく知ってくれている安心感、小さな業界での気まずさ — 知られたくないと感じる背景には、それだけ大切にしてきた関係があります。
ただ、監査人をどうするかは園の運営の判断です。検討すること自体は、後ろめたいことではありません。先生のご年齢や園の世代交代など、時間の経過とともに見直しの時期は必ず来ます。
「検討する段階」と「伝える段階」を分ける
関係を保つコツは、段階を分けて順番を守ることに尽きます。
- 情報を集める — 記事やシミュレーションで、費用や段取りの相場観をつかむ。園の名前を出す必要はない
- 相談する — 候補の会計士に、園の状況と引き受けの可否・見積りを聞く。ここも守秘義務の範囲
- 園の中で決める — 理事会など園の意思決定の場で、交代するかどうかを決める
- 今の先生に伝える — 後任の見込みが立ってから、契約期間の区切りに合わせて伝える
- 引き継ぎ — 前任から後任への引き継ぎは、会計士の間では日常的な手続き
- から3)までは、今の先生に何かを伝える必要はありません。伝えるのは4)が初めてで、それまでの検討が知られることはない、という順番です。
伝えるときに角が立たない形
いざ伝える場面でも、次の3つをそろえれば、こじれることはまずありません。
- 時期は契約期間の満了に合わせる (年度の途中で打ち切らない)
- 理由は前向きに伝える (園の世代交代に合わせて、外部監査費加算の仕組みを使うため、など)
- 引き継ぎへの協力をお願いする (長年のご指導への感謝とあわせて)
前任の先生への感謝と、事務的な区切りの明確さは両立します。むしろ曖昧なまま先延ばしにするほうが、関係には良くありません。
Q. 相談しただけなのに、その後の営業や勧誘につながりませんか。
弊所の場合、ご相談は無料で、こちらから重ねての連絡はしません。検討の結果「今のままでいく」となれば、それで終わりにしていただいて構いません。
Q. 後任の会計士が今の先生と面識があったら、気まずくなりませんか。
心配はいりません。監査人の交代と引き継ぎは、会計士の世界では職業上の通常の手続きとして扱われます。前任・後任の間の引き継ぎは制度として想定されているもので、個人的な対立を意味しません。
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。