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園が払わなくてよい税金 — 固定資産税・不動産取得税・登録免許税・印紙税の非課税

園舎を建て替える、土地を買い足す、領収書を切る — 会社なら税金がついて回る場面でも、学校法人には非課税の定めが用意されています。この記事では、園の実務で出番の多い4つの税金について、非課税になる範囲と、外れる場合を整理します。

この記事の要点

  • 園が直接保育・教育に使う土地・建物・遊具などの固定資産には固定資産税が、その取得には不動産取得税がかからない(地方税法348条2項9号・73条の4第1項3号)。有料で借りている資産と、1月1日にまだ使い始めていない資産は対象外
  • 校舎等の取得の登記は登録免許税が非課税。証明書類の添付が条件(登録免許税法4条2項・別表第三)
  • 園が発行する領収書は「営業に関しない受取書」として印紙税が非課税。ただし契約書は文書の種類ごとに見る

固定資産税 — 直接保育・教育に使う部分は非課税

固定資産税は土地・家屋・償却資産の所有者に市町村が課す税金ですが、学校法人がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産には課すことができません(地方税法348条2項9号)。園舎、園庭、遊具を置いた土地はこの範囲に入ります。条文が非課税とするのは「固定資産」なので、土地・家屋だけでなく、遊具・空調設備・フェンスといった償却資産も、直接保育・教育に使うものは同じ範囲です。ただし償却資産には毎年1月1日現在の状況を1月31日までに市町村へ申告する制度があるため(地方税法383条)、非課税に当たる資産の扱いは市区町村の担当課に確認してください。

線引きの言葉は「直接保育又は教育の用に供する」です。園の敷地でも、職員の住宅として使っている建物や、外部に貸している部分はこの範囲から外れます。非課税の範囲を確かめる手続きは市区町村ごとに異なるため、取得や用途の変更があった年は市区町村の担当課に確認してみてください。

学校法人の園に関わる4つの税金と非課税の範囲
税金非課税になる範囲根拠
固定資産税直接保育又は教育の用に供する固定資産(土地・家屋・償却資産)地方税法348条2項9号
不動産取得税直接保育又は教育の用に供する不動産の取得地方税法73条の4第1項3号
登録免許税校舎等の所有権の取得登記、直接保育・教育の用に供する土地の権利の取得登記(証明書類の添付が条件)登録免許税法4条2項・別表第三
印紙税園が作成する金銭の受取書(営業に関しない受取書)印紙税法5条1号・印紙税法別表第一(第17号文書の非課税物件の欄)

不動産取得税と登録免許税 — 園舎の建て替え・土地の買い足しで出番

不動産取得税は、不動産を取得したときに都道府県が課す税金です。学校法人がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する不動産として使用するために取得した場合には課されません(地方税法73条の4第1項3号)。園舎の建て替えや園庭の拡張のように用途がはっきりしている取得はこれに当たります。一方、条文が非課税とするのは「使用するために取得した場合」なので、将来いつか使うかもしれないという段階で土地を先に買っておくだけでは要件を欠くと判断されることがあります。取得の時点で用途を説明できる資料を整えておいてください。

登録免許税は登記の際にかかる税金で、学校法人が自己のために受ける一定の登記は非課税です(登録免許税法4条2項)。対象は別表第三に列挙されており、校舎、寄宿舎、図書館その他保育又は教育上直接必要な附属建物(校舎等)の所有権の取得登記と、校舎等の敷地、運動場、実習用地その他の直接に保育又は教育の用に供する土地の権利の取得登記、それに認定こども園の用に供する建物や土地の取得登記が含まれます。

印紙税 — 領収書は非課税でも、契約書は

保護者や取引先に渡す領収書に印紙は要らないのでしょうか。印紙税法は、別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書には印紙税を課さないと定めています(印紙税法5条1号)。金銭の受取書(第17号文書)の非課税物件の欄には「営業に関しない受取書」が掲げられており(印紙税法別表第一)、国税庁は公益法人の作成する受取書は営業に関しないものとして扱うと案内しています。園が発行する領収書は、記載金額が5万円以上でも印紙が要らないということです。

一方、園が結ぶ契約書は文書の種類ごとに課税の有無を見ます。園舎の工事請負契約書、土地の売買契約書、借入れの金銭消費貸借契約書は、学校法人が当事者でも印紙税の課税文書に当たります。領収書の非課税を契約書にまで広げないよう気をつけてください。

法人税と均等割 — 非課税は「収益事業を行っていない」ことが前提

これらの資産にかかる税金とは別に、学校法人が法人税を納めるのは収益事業を行う場合に限られます(法人税法4条1項)。市町村民税の均等割も、収益事業を行っていない限りかからないという定めがあります(地方税法296条1項2号)。駐車場の貸し出しなどの収益事業を始めると、この前提が変わります。ただし均等割については、その収益事業の所得の90%以上を園の経営に充てている場合(所得がなく充てていない場合を含む)は、その事業は収益事業に含まれないものとされ、均等割はかからないままです(地方税法296条3項・地方税法施行令47条・7条の4)。

非課税の恩恵を取りこぼさない3つの確認

  1. 用途を分ける

    園の土地・建物のうち直接保育・教育に使っている部分と、それ以外(貸している部分・職員住宅)を分けておく

  2. 取得の前に証明書類を用意する

    登記の非課税は書類の添付が条件。日程が決まったら所轄庁への手続きを確かめる

  3. 契約書と領収書を分けて考える

    領収書は非課税、契約書は文書ごとに課税の有無を見る

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