学校法人の会計では、予算は「作って終わり」の書類ではありません。この記事では、年度の途中で予算と実際がずれてきたときに補正予算をどう組むかを、都道府県公表の実例集をもとに整理します。
予算と決算がずれたとき — 補正予算書の作りどきと出し方
この記事の要点
- 予算と実際に差が出たら、原則は補正予算書を作って直す
- 埼玉県の実例では、大科目でおおむね100万円未満の差なら補正なしもやむを得ないとされる
- 補正した予算書は決算まで待たず、理事会・評議員会の議事録とともに速やかに所轄庁へ
なぜ学校法人は予算を重んじるのか
園の収入は施設型給付費や保育料といった見通しを立てやすい項目が中心で、支出は年度の初めに立てた計画に沿って動きます。予算は、理事会・評議員会の場で決める園の1年のお金の計画であり、決算はその計画どおりに運営できたかを確かめる答え合わせです。
だからこそ、決算のときに予算との大きなずれが説明できないと、計画の立て方そのものを問われます。ずれに気付いた時点で予算の側を直しておく — それが補正予算です。
補正予算を組むのはどんなとき
埼玉県の質疑応答集(幼稚園向け)には、預かり保育の関係で人件費に200万円程度の差が出た園の問答があり、答えは「当初予算と差額が生じた場合は、原則として補正予算書を作成する。少額である場合(大科目で概ね100万円未満)は補正予算を組まなくてもやむを得ない」とされています。
この100万円はあくまで埼玉県の運用が示す目安です。大科目の単位で見て、説明の要る規模のずれかどうかが判断のものさしになります。科目の内訳の細かい入り繰りまで、すべて補正する必要はありません。
出しどきは「速やかに」— 決算とまとめてはNG
同じ実例集には「去年11月に予算を補正したが、決算の報告と一緒に補正予算書を送付することでよいか」という問いがあり、答えは「予算を補正した場合には、速やかに提出すること。この場合、理事会及び評議員会の議事録を添付すること」です。
補正は園の中の手続きで終わりではなく、所轄庁への届出までがワンセットです。決算まで手元に置いておく運用になっていないか、確かめてみてください。
| 場面 | すること |
|---|---|
| 大科目で説明の要る差が出た | 補正予算書を作り、理事会・評議員会の手続きを経る |
| 補正を決めた | 議事録を添えて速やかに所轄庁へ届け出る |
| 差が小さい | 大科目でおおむね100万円未満なら補正なしもやむを得ないとする県の例がある |
ずれに早く気付く仕組みを持つ
補正のいちばんの難所は、組むこと自体ではなく「ずれに気付くのが遅い」ことです。月次で試算表と予算を見比べる習慣があれば、年度の早い段階で差の芽に気付けます。
何月の時点でどの科目がどれくらいずれていたら動くか、園の中で決めておきませんか。基準を先に決めておけば、担当者が1人で抱え込まずに済みます。
※補正の要否や届出のしかたの実例は、埼玉県の質疑応答集(幼稚園・平成28年度改訂版)によるものです。実際の運用は園の所轄庁の手引・通知で確かめてください。
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