3月に年度が終わってから、決算の承認までの2か月あまりは、園の事務がいちばん立て込む時期です。この記事では、決算から理事会・評議員会までの段取りを月ごとに整理し、間に合わせるためのコツを示します。
園の決算スケジュール — 理事会・評議員会までの段取りを月ごとに整理
この記事の要点
- 大きな流れは「締める→監査を受ける→理事会・評議員会にかける→提出する」の4段階。計算書類等の作成期限は年度終了後3か月以内 (3月決算なら6月末)
- 日程は逆算で決める。先に理事会・評議員会の日を押さえ、そこから監査と締めの日程を割り出す
- 決算を楽にする仕込みは年度内から始まっている。3月までの月次の積み重ねが効く
全体の流れ — 4段階を2か月あまりで
3月決算の園の、決算から承認・提出までの一般的な流れです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3月 | 年度末の締め準備。未払・未収の洗い出し、現物 (現金・備品) の確認 |
| 4月 | 帳簿を締め、計算書類の案を作る |
| 4月〜5月 | 会計士の期末監査・監事の監査を受け、指摘があれば直す |
| 5月〜6月 | 監事の監査報告を受けた決算を理事会で承認し、評議員会に報告して意見を聴く |
| 6月 | 所轄庁・自治体へ計算書類等を提出する |
このスケジュールの背骨は、令和7年4月に施行された改正私立学校法で法律上も固まりました。計算書類等・財産目録等の作成期限は「会計年度終了後3か月以内」— 3月決算なら6月末までで、改正前の「2か月以内」から1か月延びています (私立学校法103条・107条)。手続きの順序も「監事の監査 → 理事会の承認 → 評議員会への報告と意見聴取」と定められました (同104条・105条)。あわせて令和7年度からは学校法人会計基準が文部科学省令となり、私学助成を受けていない施設型給付の園を含む、すべての学校法人に適用されています。
提出の期限や必要書類は、園の類型 (幼稚園・認定こども園) と所轄庁・自治体によって異なります (たとえば東京都は6月末の提出期限より早めの評議員会開催を求めています)。毎年の通知で確かめて、この表に落とし込んでください。
日程は「逆算」で決める
決算日程で最初に決めるべきは、締めの日ではなく理事会・評議員会の日です。
理事や評議員の皆さんの日程は動かしにくいため、まずそこを押さえる。次に、その1〜2週間前に監査が終わっているよう会計士と往査日を調整する。さらにその前に計算書類の案が締め上がっているよう、経理の締め日を置く — この逆算が、毎年の定石です。
先に締めの作業から始めて「終わったら理事会の日を探す」順番にすると、日程が取れずに承認が遅れる事態を招きます。
監査を組み込んだ日程のコツ
外部監査を受けている園は、期末監査の日程を年明けには会計士と仮置きしておきます。
コツは、計算書類が完全に固まる前でも監査に入ってもらうことです。期中監査で仕組みの確認が済んでいれば、期末は数値の検証が中心になり、締めと監査をある程度並行して進められます。指摘が出ても、理事会までに直す時間が残ります。
監事の監査報告は理事会承認の前提になるため、監査報告書の日付は必ず理事会より前に置きます (私立学校法104条)。日程を動かすときは、会計士と監事の両方に必ず一報を入れてください。
決算を楽にする仕込みは年度内から
4月に慌てる園と落ち着いている園の差は、3月までの過ごし方でほぼ決まっています。
- 月次で帳簿を締めておく — 毎月の残高確認ができていれば、年度末の締めは「13回目の月次」に近づきます
- 大きな取引の書類をその場でそろえる — 工事・備品・補助金の書類は、あとから探すのがいちばん時間を食います
- 3月に仮締めをする — 年度末の数字の輪郭を3月中につかんでおくと、4月の作業量が読めます
まとめ — 段取りが決算の質を決める
決算の数字そのものは1年の結果であり、4月からの頑張りでは変わりません。変えられるのは段取りだけです。
弊所では、監査のご契約の園に対して、決算日程の逆算の設計と、月次の仕込みの整え方までご一緒しています。
Q. 理事会と評議員会は、どちらが先ですか。
決算については、理事会が先です。令和7年4月施行の改正私立学校法で、監事の監査を受けた計算書類等をまず理事会で承認し、そのうえで定時評議員会に報告して意見を聴く、という順序が法律で定められました (私立学校法104条・105条)。評議員会の招集通知には承認済みの計算書類等と監査報告を添えて事前に送る必要があり、通知は会日の1週間前までに発します (同70条・105条)。理事会と評議員会の間にこの期間を見込んで日程を組んでください。
Q. 監査が間に合わないときはどうなりますか。
理事会・評議員会や提出の日程に監査が間に合わないと、承認のやり直しや期限の相談といった余計な手続きが増えます。日程が崩れそうだと分かった時点で、早めに会計士と自治体に相談するのが傷を最小にする方法です。
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