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事業活動収支計算書の読み方 — 園の「成果の構造」を3つの区分で見る

学校法人会計で園の「成果」を見る書類が、事業活動収支計算書です。この記事では、企業の損益計算書にあたるこの書類の読み方を、理事長・園長が押さえたい順番でかみ砕きます。

この記事の要点

  • 事業活動収支計算書は、1年間の活動の成果 (収支の均衡) を見る書類。お金の動きを見る資金収支計算書と役割が分かれる
  • 中身は「教育活動」「教育活動以外の経常的な活動」「臨時的な活動」の3つの区分
  • まず見るのは基本金組入前当年度収支差額。ここがプラスかどうかが園の実力の目安

何の書類か — お金の動きではなく「成果」を見る

事業活動収支計算書は、その年度の収入と支出を活動の種類ごとに並べ、収支が釣り合っているかを示す書類です。企業でいえば損益計算書にあたります。

資金収支計算書が「お金がどう動いたか」を見るのに対し、こちらは「活動の成果が出ているか」を見ます。たとえば園舎や大きな設備を買った場合、お金はその年に出ていきますが、事業活動収支計算書では一度に費用にならず、減価償却で各年度に配分されます。

3つの区分 — 本業・本業以外・臨時

事業活動収支計算書の3つの区分
区分中身の例
教育活動収支保育料・給付費・経常的な補助金などの収入と、人件費・教育研究経費・管理経費
教育活動外収支預金の受取利息、借入金の利息など、教育以外の経常的な収支
特別収支施設設備の寄付を受けた、資産を売却・処分したなど、臨時的な収支

この区分のおかげで、「毎年続く実力の部分」と「今年だけの臨時の部分」を分けて読めるようになっています。

縦に読む — 段階ごとの収支差額

事業活動収支計算書は、上から順に段階ごとの収支差額が出てくる作りです。

上から順に見る4つの行
意味
経常収支差額教育活動と教育活動外を合わせた、毎年度の実力
基本金組入前当年度収支差額臨時的な収支まで含めた、その年度の総合成績
当年度収支差額そこから基本金への組み入れを引いた後の姿
翌年度繰越収支差額過去の年度からの累計

基本金とは、園舎・設備など園を続けるために維持すべき元手に会計上の色を付けたものです。その組み入れの前か後かで、収支差額の意味が大きく変わります。

まず見るのは「基本金組入前」

園舎を建てた年や大きな設備を買った年は、基本金組入額が大きくなり、当年度収支差額が赤字に見えることがあります。これは成果の一部を元手の維持に回したという表示で、経営の悪化とは別の話です。

だから最初に見るのは基本金組入前当年度収支差額です。ここが毎年プラスなら、園の活動自体は収入で賄えています。毎年マイナスなら、こども数や人件費とのバランスなど、構造に原因を探します。

あわせて経常収支差額を数年分並べると、臨時的な収支に紛れない「地力」の傾向がつかめます。1年分の数字より推移で見るのは、資金収支計算書と同じ読み方の作法です。

Q. 資金収支計算書とどちらを先に見ればよいですか。

資金繰りの心配があるときは資金収支計算書、園の経営が続けられる構造かを見たいときは事業活動収支計算書です。見たいものに合わせて入り口を選んでください。

Q. 監査では事業活動収支計算書のどこを見られますか。

収入・支出が正しい区分と年度に計上されているか、前年度からの大きな増減に説明が付くか、基本金の組み入れが会計基準の定めどおりか、といった点です。日ごろの記帳と証拠書類が整っていれば、特別な準備はいりません。

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