園の会計が長年1人の担当者に支えられている — それ自体は心強いことですが、その方が急に離れたら回るでしょうか。この記事では、引き継ぎで残すものと、日頃からできる備えを整理します。
会計担当の引き継ぎ — 1人に頼らない園にする段取り
この記事の要点
- 引き継ぎの核は「1年のカレンダー」「科目の使い方メモ」「お金まわりの所在一覧」の3点
- 引き継ぎ資料は後任が決まってから作るのではなく、現任のうちに少しずつ書きためる
- 資料が整っている園は、監査への対応も速くなる
引き継ぎがない園で起きること
会計の仕事は、毎月の記帳のほかに、季節ごとの手続きが積み重なってできています。担当者の頭の中にだけある状態で交代が起きると、後任は「何を・いつ・どこへ」から手探りになります。
抜けやすいのは、年に1回しかない手続きです。所轄庁への提出物や保険の更新は、忘れた頃に期限が来ます。引き継ぎの主役は日々の作業ではなく、年1回の仕事だと考えてください。
残すもの1 — 1年のカレンダー
月ごとに「する仕事・提出先・締切」を並べた1枚を作ります。4月の入園料、毎月の集金と支払い、決算と理事会・評議員会の段取り、所轄庁への提出まで、1年分を月の粒で書き出します。
細かい手順書より先に、まずこのカレンダーです。全体の地図があれば、細部は前年のファイルをたどって思い出せます。
残すもの2 — 科目の使い方メモ
同じ支出でも、園ごとに科目の使い分けの癖があります。迷った支出と、そのとき選んだ科目・理由を書きためたメモは、後任にとって何よりの道しるべです。
このメモは引き継ぎのためだけのものではありません。科目のぶれは監査でよく話題になる点なので、現任のうちから書きためておくと、監査への説明もそのメモで済みます。
残すもの3 — お金まわりの所在一覧
口座の一覧、通帳・届出印の保管場所と管理者、会計ソフトのデータの置き場所、契約中の業者の一覧を1枚にします。パスワードそのものは書かず、どこに・誰が管理しているかだけを載せるのが安全な形です。
作ってみると、口座やデータの管理が特定の1人に集中していることに気付くかもしれません。その気付きは、引き継ぎ以前の事故防止にもつながります。
| 資料 | 中身 |
|---|---|
| 1年のカレンダー | 月ごとの仕事・提出先・締切 |
| 科目の使い方メモ | 迷った支出と選んだ科目・理由の記録 |
| 所在一覧 | 口座・通帳と印鑑・データ・契約先の所在と管理者 |
重ねる期間を作る
資料がそろっていても、実際の交代では並走の期間がものを言います。少なくとも月次の締めを1回、できれば決算を1回、前任と後任が一緒に回すのが理想です。
決算をまたげない交代なら、決算だけ前任に手伝いに来てもらう約束を先にしておく手もあります。まずは今の担当の方と、3点セットのどれから書き始めるか話してみてください。
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