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よくある監査指摘と直し方 — 多くの園に共通する5つのつまずき

監査で指摘されるのは、特別な不正や大きな誤りよりも、多くの園に共通する日常の事務のつまずきです。この記事では、園監査でよく見られる指摘を5つに整理し、それぞれの直し方を示します。

この記事の要点

  • 指摘の大半は「記録が残っていない」「年度の区切りがずれている」「確認の手が1人しかない」という日常事務の型の問題
  • どれも、書式と手順を1つ決めるだけで直る。特別な知識も費用もいらない
  • 指摘は叱責ではなく改善の入口。直した状態が翌年の監査の出発点になる

指摘1 — 現金の管理記録が不十分

小口現金の出納帳が数日分まとめて書かれていたり、実際の残高との突き合わせの記録がなかったりするケースです。

直し方はシンプルで、「その日のうちに記帳し、月末に残高を数えて記録を残す」という手順を決めることです。数えた記録に日付と担当者名を残せば、それだけで管理の証拠になります。

指摘2 — 翌年度分のお金が今年度の収入に入っている

幼稚園・認定こども園では、翌年度に入園する子の入園料を、秋の入園手続きのときに受け取ります。これは翌年度の収入 (前受金) として次の年度に付け替えるのが決まりですが、受け取った年度の収入のまま決算してしまうケースです。年度末に未納だった保育料 (未収入金) の計上漏れも、同じ「年度の区切り」のつまずきです。

直し方は、決算のときに「このお金はどの年度の分か」で締めること。翌年度分として受け取ったお金は前受金へ、年度内の分でまだ入っていないお金は未収入金へ、と振り替える確認を決算の手順に1行入れれば防げます。

指摘3 — 通帳・印鑑の管理が1人に集中している

通帳と届出印を同じ人が保管し、振込も同じ人が1人で完結できる状態は、監査で必ず指摘される形です。誤りや不正が起きても、園の中で気付く仕組みがないためです。

直し方は、保管を分ける (通帳は事務、印鑑は園長など) か、振込の実行前に別の人の確認を挟むこと。人数の少ない園でも、「実行する人」と「確かめる人」を分けるだけで大きく改善します。

指摘4 — 固定資産・備品の現物が台帳と合わない

台帳には載っているのに現物が見当たらない、逆に現物はあるのに台帳にない、というずれです。廃棄したときに台帳を直す手順がないと、年々ずれが積み上がります。

直し方は、年1回、決算前に主要な備品の現物を確かめて台帳を直すこと。全部を数え切る必要はなく、金額の大きいものから順に見るだけでも監査上の評価は変わります。

指摘5 — 計算書類の科目の使い方が年度でぶれる

同じ性質の支出が年度によって違う科目に入っていると、計算書類の比較ができなくなります。担当者の交代時に起きやすいつまずきです。

直し方は、園でよく出る取引の科目対応表を作っておくこと。迷ったら前年と同じ処理に合わせる、判断に迷うものは監査人や顧問に聞く、という順番を決めておけばぶれません。

指摘は「翌年の楽」につながる

5つに共通するのは、直すのに費用がほとんどかからないことです。書式を1つ決める、確認の手を1つ挟む — その積み重ねで、翌年の監査は確認がすっと通るようになり、指導監査への備えにもなります。

監査の指摘には、直し方まで添えるのが弊所の方針です。「何を言われるか不安」という段階のご相談も歓迎します。

Q. 指摘が多いと、監査報告書に問題があると書かれてしまいますか。

日常事務の改善点は、計算書類の適正性とは区別して扱われます。指摘=悪い監査結果、ではありません。むしろ改善点が具体的に挙がる監査のほうが、園にとって役に立つ監査です。

Q. 指摘を受けた項目は、いつまでに直せばよいですか。

決まった期限があるものではなく、次年度の監査で改善状況を確かめる形が一般的です。すぐ直せるものから着手し、難しいものは監査人と直し方を相談してください。

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