「顧問の税理士の先生がいるのに、なぜ別に監査の会計士が要るのか」— 園の理事長・事務長から、そして顧問税理士ご自身からもよく出る質問です。この記事では、2つの役割の違いと、両者のよい関係のつくり方を整理します。
監査の会計士と顧問税理士の役割の違い — 園に両方いる理由
この記事の要点
- 顧問税理士は園の側に立つ支援者、監査の会計士は独立した立場の点検役。役割がそもそも違う
- 作る人と確かめる人を分けるからこそ、計算書類の信頼性が担保される
- 両者は敵ではない。監査が入ると顧問税理士の仕事も進めやすくなる面がある
顧問税理士の役割 — 園の側に立つ支援者
顧問税理士 (または会計事務所) は、園と契約して園のために働く支援者です。日々の記帳の指導、計算書類の作成の支援、税務の申告、給与計算 — 園の事務を内側から支えます。
園の事情をいちばんよく知る外部の専門家であり、立ち位置は明確に「園の側」です。
監査の会計士の役割 — 独立した点検役
一方、監査の会計士の仕事は、出来上がった計算書類が園の実態を正しく表しているかを、園から独立した立場で確かめることです。
支援者ではなく点検役なので、記帳や書類作成そのものを代行することはありません。むしろ、作成に深く関わってしまうと「自分が作ったものを自分で確かめる」ことになり、点検の意味がなくなってしまいます。
この独立性こそが監査の価値の源です。園が「私たちの決算は外部の専門家の点検を受けています」と言えるのは、点検役が園の内側の人ではないからです。
「作る人」と「確かめる人」を分ける
2つの役割を並べると、こうなります。
| 観点 | 顧問税理士 | 監査の会計士 |
|---|---|---|
| 立ち位置 | 園の側に立つ支援者 | 園から独立した点検役 |
| 主な仕事 | 記帳支援・計算書類の作成支援・税務 | 計算書類の監査・内部の仕組みの点検 |
| 成果物 | 計算書類・申告書 | 監査報告書・指摘事項 |
| 関わり方 | 日常的・継続的 | 期中と期末の往査を中心に計画的 |
役割が違うので、どちらかがいればもう一方は不要、という関係にはなりません。作る人と確かめる人が分かれている状態が、計算書類の信頼性のいちばんの土台です。
監査が入ると、顧問税理士の仕事もやりやすくなる
監査と顧問は、対立する関係ではありません。
監査で会計処理の論点が早めに整理されると、顧問税理士は決算をより確かな土台の上で組めます。園の事務の弱い部分が監査で見つかれば、顧問側の指導もしやすくなります。
実際、顧問税理士の先生から「関与先の園の監査人を探している」というご相談をいただくことも多くあります。監査側と顧問側が情報を共有しながらそれぞれの役割を果たす形が、園にとっていちばん健全です。
Q. 顧問税理士に監査もお願いすることはできますか。
計算書類の作成に関わっている事務所が、その計算書類の監査も行うことは、独立性の面からできません。監査は、作成に関与していない別の会計士に依頼する必要があります。
Q. 監査の会計士に日常の会計相談をしてもよいですか。
会計処理の考え方の相談は、監査の範囲でも自然に行われます。ただし記帳や書類作成の代行は監査の役割の外です。日常の支援は顧問側、点検と考え方の整理は監査側、と使い分けてください。
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