外部監査の導入を考える園から必ずいただく質問が「指導監査との関係はどうなりますか」です。この記事では、国の通知の定めと園に起きる変化の両面から、外部監査と指導監査の関係を整理します。
外部監査を受けると指導監査はどうなるか — 会計部分の省略と3つの変化
この記事の要点
- 国の通知では、外部監査を受けている会計は、軽微でない指摘の場合を除き市町村の指導の対象から外せる
- 「外せる」という定めのため、実際の取り扱いは自治体ごとに異なる。所管の自治体に一度確かめてほしい
- 会計以外の運営面の確認は残る。それでも会計が整うことで、指導監査の迎え方そのものが軽くなる
結論 — 会計の部分は、省略されることがある
指導監査の国の指針にあたる、こども家庭庁・文部科学省の連名通知には次の定めがあります。幼稚園・認定こども園の設置者が、園の会計について公認会計士等の外部監査を受けている場合、軽微とは認められない指摘を受けた場合を除き、外部監査の対象となっている会計は市町村の指導の対象としないことができる。
つまり、外部監査を受けている園では、指導監査のうち会計の部分は省略され得る — これが国の枠組みです。
ただし「しないことができる」という書き方のとおり、実際にどう扱うかは自治体の判断に委ねられています。園を所管する自治体に、取り扱いを一度確かめてみてください。
会計以外 — 運営面の確認は残る
指導監査は、職員の配置、保育の記録、安全管理など運営の全般を見る手続きです。外部監査と重なるのは会計の部分だけで、運営面の確認はこれまでどおり行われます。
そして、外部監査のある園では監査の迎え方そのものも変わります。次の3つの変化は、会計部分が省略されるかどうかに関係なく起きるものです。
変化1 — 会計の指摘の種が、先に片付いている
指導監査の会計・経理の項目で指摘されることの多く — 残高の不一致、年度の区切りのずれ、記録の不足 — は、外部監査が年間を通じて先に見つけて直している内容と重なります。
指導監査で指摘されてから慌てて直すのか、外部監査で先に直しておくのか。同じ「直す」でも、順番が変わるだけで園の負担感はまったく違います。
変化2 — 「探す時間」がなくなる
外部監査を受けている園は、監査人に見せるために帳簿・通帳・証ひょう類の定位置が自然と決まっていきます。月々の残高照合も習慣になります。
すると指導監査の通知が来ても、資料集めがほぼ「取り出すだけ」になります。直前の数週間の慌ただしさが消えるのは、この効果によるものです。
変化3 — 説明することに慣れる
指導監査では、処理の理由を職員が口頭で説明する場面があります。年に一度しか説明の機会がないと、これはかなりの緊張です。
外部監査のある園では、監査人への説明を年間を通じて重ねているため、「なぜこう処理したか」を言葉にすることに慣れています。この慣れが、当日の空気を大きく変えます。
費用は外部監査費加算が手当てする
施設型給付を受ける園なら、外部監査の費用は公定価格の外部監査費加算が手当てします。監査報酬が加算の範囲に収まれば、園の実質負担はありません。
指導監査への備えという効果まで含めて考えると、使わない理由が見つからない仕組みではないでしょうか。
| 場面 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 会計の指摘 | 指導監査で指摘されてから直す | 外部監査が先に見つけて直している |
| 資料の準備 | 通知が来てから探して集める | 定位置から取り出すだけ |
| 処理の説明 | 年に一度のぶっつけ本番 | 監査人への説明で年間を通じて慣れている |
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