指導監査の通知が来るたびに、園全体があわただしくなる — 心当たりのある園は多いはずです。この記事では、会計と運営面を切り分けたうえで、負担そのものを減らす道筋を整理します。
指導監査の負担を軽くする方法 — 会計は「外せる」、残る運営面を日常に散らす
この記事の要点
- 会計は「頑張って備える」より前に、外部監査を入れて指導の対象から外せる道がある
- そのぶん園に残るのは運営面。直前にまとめてやる作業を日常の月々に散らすのが要
- 前回の指摘への対応は最初に確かめられる。対応の記録を1枚にまとめておく
負担の正体 — 当日ではなく、直前の数週間
指導監査そのものは、多くの場合1日か2日で終わります。園を疲れさせるのは、通知が来てから当日までの資料集めと、そのあいだ通常の業務が圧迫されることです。
ですから負担を軽くする道は2つあります。そもそも対象を減らすことと、残った分を日常に散らすことです。順に見ていきます。
会計は、外部監査を入れると指導の対象から外せる
先に効くのは対象を減らすほうです。国の通知では、幼稚園・認定こども園の設置者が会計について公認会計士等の外部監査を受けている場合、軽微とは認められない指摘を受けたときを除き、外部監査の対象となっている会計は市町村の指導の対象としないことができるとされています。
つまり会計の項目は、備えを厚くする話ではなく、そもそも指導監査から外れ得る領域だということです。「外部監査で先に整えておくから通りやすい」のとは、意味合いがまるで違います。
ただし「できる」という定めなので、実際にどこまで省くかは自治体ごとに異なります。園を所管する自治体に一度確かめてみてください。
施設型給付を受ける園なら、外部監査の費用は公定価格の外部監査費加算が手当てします。監査報酬が加算の範囲に収まれば、園の実質負担はありません。
残るのは運営面 — 書類の定位置を決める
会計を外せたとして、園に残るのは運営面の確認です。職員の配置と資格、保育の記録、安全管理、規程、理事会・評議員会の議事録。
これらの多くは、園にもともと「ある」ものです。問題は、どこにあるかを探すところから準備が始まってしまうこと。置き場所を決め、年度ごとにまとまっている状態を保つだけで、直前の負担は目に見えて減ります。
月次のリズムを作る — ためないことがいちばんの時短
| 月に1度やること | 直前にやらずに済むこと |
|---|---|
| 職員名簿と資格証の写しを最新にする | 退職・採用をさかのぼっての確認 |
| 保育の記録と指導計画をその月のうちにそろえる | 数か月分の記録の書き足し |
| 避難訓練・健康診断などの実施記録をとじる | 実施日を記憶から再現する作業 |
| 理事会・評議員会の議事録を開催した月に仕上げる | 未作成分のまとめ書き |
どれも1回あたりは短時間で済む作業です。数か月ためたときに初めて「大仕事」になります。
前回の指摘から手を付ける
指導監査では、前回の指摘事項にどう対応したかが最初の関心事になります。
指摘の一覧と、それぞれの対応 (直した内容・直した時期) を1枚にまとめておくと、当日の説明資料がそのまま出来上がります。逆にここが曖昧だと、同じ指摘を繰り返し受けることになり、監査の時間も長引きます。
Q. 外部監査を入れれば、指導監査そのものが無くなるのですか。
無くなりません。外れ得るのは外部監査の対象になっている会計の部分で、職員の配置や保育の記録といった運営面の確認は残ります。しかも「対象としないことができる」という定めなので、取り扱いは自治体ごとに違います。
Q. 小さな園で事務職員が1人しかいません。どこから始めればよいですか。
会計を外部監査に預けたうえで、運営面は「議事録をその月のうちに仕上げる」の1つだけでも始めてください。日付のある記録が毎月そろっている園は、直前の資料集めがぐんと軽くなります。
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。