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資金収支計算書の読み方 — 園のお金の動きを3つの区分でつかむ

学校法人会計の計算書類の中で、園の日々の感覚にいちばん近いのが資金収支計算書です。この記事では、理事長・園長が押さえておきたい読み方を、専門用語をかみ砕きながら整理します。

この記事の要点

  • 資金収支計算書は「1年間にお金がどこから入り、何に出て、いくら残ったか」の一覧表
  • 予算の欄と決算の欄が並ぶのが特徴。差異の大きい行から読むのが近道
  • 最後の「翌年度繰越支払資金」が、園の手元資金の残高。この推移が資金繰りの体温計

資金収支計算書とは — お金の出入りの一覧

資金収支計算書は、その年度に園のお金 (支払資金) がどう入り、どう出たかをまとめた計算書類です。

家計に例えれば「1年分のお小遣い帳の集計表」。成果を計算する書類ではなく、お金の動きそのものを示す書類です。成果 (収支のバランス) を見るのは事業活動収支計算書、財産の状態を見るのは貸借対照表と、役割が分かれています。

収入の側 — 園のお金はどこから来るか

収入の部には、園のお金の入り口が科目ごとに並びます。

収入の部の主な科目
科目中身
学生生徒等納付金収入保護者からの保育料・入園料など
補助金収入施設型給付費や自治体の補助金。多くの園で収入のいちばん大きな柱
寄付金収入・雑収入などそれ以外の入り口

支出の側 — 何に出ているか

支出の部の中心は、ほとんどの園で人件費支出です。教育研究経費支出・管理経費支出がそれに続き、施設や設備を買えば施設設備関係の支出に現れます。

人件費が支出の大半を占めるのは、園という事業の性質上自然なことです。大切なのは金額の大小そのものより、収入とのバランスが年々どう動いているかを見ることです。

予算と決算の差異から読む

資金収支計算書の特徴は、予算の欄と決算の欄が並ぶことです。

読み方の近道は、上から順に全部読むのではなく、予算と決算の差異が大きい行を探すことです。

差異の大きい行から読む

  1. 差異のいちばん大きい行を探す

    上から順に全部読まず、予算と決算の差が大きい行を見つけます

  2. 理由を一言で説明する

    こども数が見込みとずれた、工事が翌年度にずれた、想定外の修繕が出た — 差異の大きい行には必ず理由があります

  3. 理事会の説明に使う

    「差異の大きい行とその理由」を押さえておくと、質問に答えられます

お手元の計算書でも、差異のいちばん大きい行から探してみてください。理由を一言で説明できれば、その行は読めています。

最後の行 — 翌年度繰越支払資金

計算書の最後にある「翌年度繰越支払資金」は、年度末に手元に残ったお金です。

この数字を数年分並べたときの傾向が、園の資金繰りの体温計になります。毎年少しずつ減っているなら、どこかの構造 (こども数・人件費・修繕の積み残し) に原因があります。1年分の数字より、推移を見てください。

Q. 資金収支計算書と事業活動収支計算書は、どちらを先に見ればよいですか。

資金繰りの心配があるときは資金収支計算書、園の経営が続けられる構造かを見たいときは事業活動収支計算書です。日々の実感に近いのは資金収支のほうなので、慣れないうちは資金収支から入るのが読みやすい順番です。

Q. 監査では資金収支計算書のどこを見られますか。

お金の出入りが実際の取引と合っているか、科目の使い方が適切か、予算との大きな差異に合理的な説明が付くか、といった点です。日ごろの記帳と証拠書類が整っていれば、特別な準備はいりません。

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