通帳と届出印を同じ人が保管し、振込まで1人で完結できる — 多くの園で見かけるこの形は、監査で必ず指摘されます。この記事では、なぜ問題なのかと、少人数の園でもできる分け方を説明します。
通帳と印鑑は分けて管理する — 少人数の園でもできるお金の事故防止
この記事の要点
- 1人で完結できる形の問題は、誤りや事故が起きても園の中で誰も気付けないこと
- 分けるのは「実行する人」と「確かめる人」の2役だけ。人数が少なくても分けられる
- 仕組みは人を疑うためではなく、お金を扱う担当者を守るためのもの
なぜ「1人で完結」が問題なのか
通帳と印鑑を同じ人が持ち、振込も記帳も同じ人が行う。この形の問題は、その人を信用できるかどうかではありません。ご自身の園では、振込を最後まで1人で完結できてしまわないでしょうか。
問題は、誤りや事故が起きたときに、園の中で気付く手段がないことです。振込先の入力ミスも、万一の不正も、本人以外の目が通らなければ発見は偶然任せになります。監査でこの形が必ず指摘されるのは、人を疑う話ではなく、気付く仕組みの話だからです。
分け方1 — 保管を分ける
いちばん簡単で効果が大きいのが、通帳と届出印を別の人が保管することです。たとえば通帳は事務室、印鑑は園長の管理、という分け方です。
分け方2 — 振込の前に別の人の目を通す
振込を実行する前に、金額と振込先を別の人が確かめる手順を挟みます。確かめた人は、振込依頼の控えに日付と名前を残します。
分け方3 — 月に1回、通帳を「別の人」が眺める
実行前の確認に加えて、事後の目も置きます。月に1回、担当者以外の人 (理事長や園長) が通帳の動きをひと通り眺めるだけです。
見るのは「知らない振込先がないか」「金額の桁に違和感がないか」程度で構いません。見る目がもう1つあると分かっているだけで、日々の処理の緊張感は保たれます。
この仕組みは担当者を守る
分担の話をすると、「疑われているようで気分が悪い」という受け止めが出ることがあります。実際は逆です。
1人で完結する形では、何か起きたときに担当者が疑いを1人で背負うことになります。別の人の確認と記録が挟まっていれば、「自分ではない」ことを記録が証明してくれます。お金を扱う仕事を安心して続けてもらうための仕組みだと、園の中で共有してください。
| 型 | やること |
|---|---|
| 保管の分離 | 通帳と届出印を別の人が保管する |
| 実行前の確認 | 振込の金額と相手先を別の人が確かめ、記録を残す |
| 事後の目 | 月に1回、担当以外の人が通帳の動きを眺める |
Q. 事務職員が1人しかいない園では無理ではありませんか。
2役目は事務職員である必要はありません。印鑑の保管や月1回の通帳の確認は、理事長・園長が担えます。「実行する人」と「確かめる人」が別でありさえすれば、形は園ごとに違ってよいのです。
Q. 家族経営に近い園でも必要ですか。
必要です。身内だからこそ、万一のときに疑いを晴らす記録がないと関係そのものが壊れます。規模や関係の近さにかかわらず、記録と分担は園と人の両方を守ります。
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