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役員や家族との取引で何を確認するか — 関連当事者の注記と利益相反の手続き

施設型給付を受ける学校法人立の園で、役員やその家族から土地を借りたり、関係する会社へ工事を頼んだりするときは、契約と決算の両方を確認します。関連当事者の注記と利益相反の手続きを分け、今日確認する資料を整理します。

この記事の要点

  • 利益相反の手続きは私立学校法、関連当事者の注記は学校法人会計基準の定め。理事会で決議した取引も、注記の要否を確かめておきましょう
  • 近親者は配偶者又は2親等以内の親族。役員等が支配する法人や関係法人も確認する
  • 無償や著しい低額の取引は、通常の第三者間の取引の金額等で重要性を判断する

理事会の手続きと、決算の注記は別々に確認する

関連当事者の注記と利益相反の手続きは、別々に確かめておきましょう。注記は、誰とどのような取引をしたかを計算書類で伝えるものです1。

私立学校法は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の一部の規定を、学校法人に読み替えて適用します2。理事が自己又は第三者のために法人と取引する場合や、法人が理事の債務を保証する場合等は、利益相反取引への該当性を確認する対象です3。

具体的な契約内容に基づいて該当性を確認しておきましょう。理事が法人の事業の部類に属する取引を自己又は第三者のために行う場合も、法定の手続の対象です4。

法定の対象となる取引では、取引前に重要な事実を開示します5。学校法人では、その取引の承認を理事会の決議で受けます2。理事会で決議した後も、会計上の注記の要否は別に確かめておきましょう。

理事会の決議には、議決に加われる理事の過半数の出席と、その過半数の賛成が必要です7。寄附行為でこれを上回る割合を定めている場合は、その割合によります7。

根拠:1学校法人会計基準40条12号2私立学校法40条3一般社団法人及び一般財団法人に関する法律84条1項2号・3号4同84条1項1号5同84条1項6私立学校法42条3項7同42条1項

関連当事者の注記は、親族との取引を一律に禁じる規定ではありません。相手との関係、取引の内容、適用される手続きを順に確かめておきましょう。

役員名簿と取引先の関係を、取引開始日で照合する

関連当事者には、関係法人、同一の関係法人をもつ法人、役員とその近親者、これらの人が支配する法人が含まれます。役員には理事と監事を含み、近親者の範囲は配偶者又は2親等以内の親族です。

関係法人は、一方の法人の役員・職員等が他方の意思決定機関の過半数を占める関係等で判断します。負債に計上される資金調達額の過半への融資や、意思決定に関わる重要な契約等も判断する関係に含まれます。

関係法人の判定では、財務上又は事実上の関係から、意思決定に重要な影響を及ぼさないことが明らかな場合は対象外です。単に知人の会社というだけで、関係法人と決めるものではありません。

国の整理では、当年度内の取引について、取引開始日に関連当事者に該当するかで判定します。年度末の名簿だけで終えず、就任や関係の変更時期も確認しておきましょう。

注記の除外は、国が示す取引の条件で確認する

関連当事者との取引でも、国の通知にはこの注記を要しない取引が示されています。除外に当たるかは、取引の種類と条件で確認します。

関連当事者取引の注記を要しない取引
区分対象となる取引
一般競争入札等一般競争入札による取引、預金利息・配当金の受取り、取引の性格から条件が一般の取引と同様と明白な取引
役員への支払い報酬、賞与、退職慰労金の支払い
法人への寄附当該学校法人に対する寄附金

除外に当たると判断した取引は、入札の資料や契約条件等を、判断の根拠として整理しておきましょう。相手が関連当事者であることと、その取引を注記することを分けて確認できます。

無償や低額の取引は、支払額だけで重要性を決めない

無償又は時価に比べて著しく低い金額等の取引は、原則として、通常の第三者間の取引の金額等によって重要性を判断します。実際の支払額が小さいことだけで、重要性が低いとは判断しません。

重要性があると認められる取引は、取引内容、金額、勘定科目、期末残高等を注記します。支払一覧だけでなく、年度末に残る貸付金や敷金等も確認しておきましょう。

子法人や出資会社にも当たる相手は、他の注記との関係も照合することをお勧めします。別の注記欄があることだけを理由に、関連当事者の確認から外さないようにしましょう。

今日の取引一覧に、関係と判断資料を書き足す

今日の点検では、当年度の取引一覧と役員名簿を並べてみましょう。相手との関係と判断資料を、同じ表に残すことをお勧めします。

関連当事者取引と利益相反の確認表
取引の種類相手との関係内容・金額・期末残高注記・利益相反の確認
土地・建物の使用
工事・業務の委託
金銭の貸付・借入れ
債務保証
その他の取引

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

帳簿に支払いが出ない無償の利用も、確認の対象に入っているでしょうか。契約の資料からも拾うことをお勧めします。

注記の要否や利益相反への該当性に迷う取引は、相手との関係、目的、条件を整理して会計士等に相談しておきましょう。決算の注記案と、取引前の法定手続きをそれぞれ確認できます。

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