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監査法人と個人の公認会計士 — 園監査を頼む相手の違い・費用と体制・交代のしやすさ

「園の監査は、監査法人に頼まないといけないのか。個人の会計士との違いは何か」— 監査の会計士の交代や新しい依頼を考えている園の理事長・事務長の方に向けた記事です。監査法人と個人の公認会計士の法律上の位置づけの違い、費用と外部監査費加算の関係、体制と交代のしやすさを整理し、候補を比べる表にまとめます。

この記事の要点

  • 園監査(私立学校振興助成法14条2項の監査・施設型給付の外部監査費加算の対象になる監査・私立学校法の会計監査人)は、監査法人でも個人の公認会計士でも引き受けられる。法律上の可否に差はない
  • 監査法人は公認会計士法に基づいて設立された法人で、設立には5人以上の公認会計士が社員に要り、監査業務は公認会計士である社員だけが執行する1
  • 違いが出るのは報酬の水準・担当者の交代・体制の3つ。外部監査費加算は監査報酬の額では増減せず利用定員で決まる額なので、園の実質の負担は報酬と加算の差で決まる

根拠:1公認会計士法34条の7第1項・34条の10の2第1項

まず結論 — どちらも園監査を引き受けられる。違いは体制と費用

私立学校振興助成法は、補助金を受ける学校法人の計算書類と附属明細書について、公認会計士または監査法人の監査を受けなければならないと定めています1。ただし、補助金の額が少額で所轄庁の許可を受けたときは、この監査を要しません1。私立学校法の会計監査人も、公認会計士または監査法人でなければならないとされています2。どちらの監査も、監査法人と個人の公認会計士の両方が引き受けられます。

根拠:1私立学校振興助成法14条2項2私立学校法81条1項

監査法人と個人の公認会計士の違い
観点監査法人個人の公認会計士
法律上の位置づけ公認会計士法に基づき設立された法人。設立に5人以上の公認会計士の社員が要る公認会計士の登録を受けた個人。事務所の形は個人事務所や共同事務所
園監査を引き受けられるかできるできる
監査を行う人職務を行う社員を選定して法人に通知する。担当者は法人の人事で代わることがある本人が最初から最後まで担当する。本人の高齢や病気のときの後任は園が探す
報酬の水準候補ごとの見積もりで比べてください(担当者の人数や往査の日数で変わります)同じ
外部監査費加算利用定員で決まる額。報酬の額では変わらない同じ

法律上の可否に差が無いので、決め手は園の側の事情です。担当者が代わっても法人として続く形を取るか、同じ人に長く見てもらう形を取るかで、向き不向きが分かれます。ご自身の園は、どちらの形が合いそうでしょうか。

法律上の位置づけ — 監査法人は「5人以上の公認会計士」で作る法人

公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査または証明をすることを業とします1。監査法人は、この監査証明業務を組織的に行うことを目的として、公認会計士法に基づき設立された法人です2。

原則

監査法人を設立するには、社員になろうとする者のうちに5人以上の公認会計士を含めなければなりません。

公認会計士法34条の7第1項

ただし

園の監査に来る担当者はこの社員かその指揮の下で働く補助者で、監査法人の監査証明業務については、公認会計士である社員だけが業務を執行する権利を有し、義務を負います。

公認会計士法34条の10の2第1項

私立学校法の会計監査人を置く法人では、会計監査人は評議員会の決議で選任します3。任期は選任後1年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結の時までで、別段の決議が無ければ再任されたものとみなされます4。監査法人を会計監査人に選んだときは、監査法人が職務を行うべき社員を選定して法人に通知します5。

根拠:1公認会計士法2条1項2同1条の3第3項3私立学校法80条1項4同82条1項・2項5同81条2項6同81条3項

費用と外部監査費加算 — 加算は定員で決まり、報酬の額では変わらない

施設型給付を受ける幼稚園・認定こども園が公認会計士または監査法人の監査を受けると、公定価格の外部監査費加算の対象になります。こども家庭庁の留意事項では、外部監査の内容は、私立学校法の会計監査人の監査、私立学校振興助成法の公認会計士または監査法人の監査、これに準ずる公認会計士または監査法人の監査と同等のものとされています。

外部監査費加算の決まり(こども家庭庁の留意事項・公定価格に関するFAQ)
項目内容
加算の額利用定員に応じて定められた額。3月初日の利用こどもの単価に加算する
報酬との関係監査報酬の額によって加算・減算はされない。費用の実態を踏まえた平均的な額として設定
認定こども園園全体の利用定員に応じた額
時期当年度の3月時点で外部監査を実施することが確認できれば、当年度の3月分に加算する
監査報告書作成次第すみやかに、監査実施者から園の所在する市町村へ提出する

加算は監査法人でも個人の公認会計士でも同じ額なので、園の実質の負担は「監査報酬 − 加算額」で決まります。報酬が加算の額を下回れば持ち出しは無く、上回ればその差が園の負担です。加算の額は定員ごとに決まっているので、監査報酬の見積もりを取る前に、自園の定員での加算額を確かめておくと比べやすくなります。

外部監査を受けた園は、その外部監査で軽微とは認められない指摘を受けた場合を除き、外部監査の対象になっている会計について、市町村等による会計監査を省略することができます(公定価格に関するFAQ)。「できる」規定なので、実際の取り扱いは園を所管する自治体に一度確かめてください。

選ぶときの観点 — 体制・交代・報酬を同じ表で比べる

候補を比べる4段階

  1. 自園の定員での加算額を確かめる

    公定価格の単価表で、利用定員の区分の額を見る。試算はこのサイトの外部監査費加算の試算で

  2. 候補から見積もりと体制を聞く

    監査報酬、担当者、往査の日数、報告の時期。監査法人は「職務を行う社員」が誰かを聞く

  3. 交代のしやすさを聞く

    担当者が代わる頻度、本人が続けられなくなったときの後任の考え方

  4. 契約の範囲を確かめる

    監査の対象(計算書類・附属明細書・人件費支出内訳表)と、監査報告書の市町村への提出まで含むか

私学助成の監査だけを受けている園は、交代の時期を監査契約の更新に合わせて考えておきましょう。私立学校法の会計監査人を置いた園は、定時評議員会で別段の決議をしなければ再任されるので、交代するときは評議員会の議題にします。

監査人の候補の比較表
観点候補A候補B候補C
形(監査法人・個人の公認会計士)
実際に担当する人・年数の見込み
監査報酬(年額)
自園の外部監査費加算の額との差
往査の日数・時期
担当者が代わるときの決まり
監査の対象と報告書の提出先
園の会計への理解(施設型給付・学校法人会計)

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

まとめ — 可否は同じ。担当者・報酬・加算の差で決める

園監査は監査法人でも個人の公認会計士でも引き受けられ、法律上の差はありません。違いは、担当者が代わる体制か同じ人が続く形か、報酬の水準、そして定員で決まる外部監査費加算との差です。上の比較表に候補の答えを入れて、同じ物差しで並べてみてください。

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