監査契約書は、一度交わすとそのまま何年も見返されないことが多い書類です。この記事では、新しく契約するとき・更新するとき・交代を考えるときに、園が確認すべき項目を4つに絞って整理します。
監査契約のどこを確認するか — 園が見るべき4つの項目
この記事の要点
- 確認するのは範囲 (何をしてもらえるか)・日程 (いつ来るか)・報酬 (いくらか)・終わり方 (交代時の取り決め) の4つ
- 「監査報告書のほかに何が受け取れるか」が監査の品質の分かれ目
- 報酬は単体で見ず、外部監査費加算の額と並べて確かめる
契約書は「してもらえること」の一覧表
監査契約書は、法律用語の並んだ形式的な書類に見えますが、中身は「園が何をしてもらえるか」の一覧表です。
ここが曖昧なまま長年更新されていると、「思っていたより来てもらえない」「質問しても決算のときしか答えてもらえない」といったすれ違いの原因になります。
逆に、確認すべき点は多くありません。次の4つだけ見れば十分です。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 範囲 | 何を監査し、何を受け取れるか (監査報告書・指摘の説明) |
| 日程 | 年に何回・いつ来るか。決算前の日程が読めるか |
| 報酬 | 金額はいくらか。外部監査費加算の額に収まるか |
| 終わり方 | 契約期間と更新の仕方。交代するときの引き継ぎ |
確認1 — 範囲: 監査報告書のほかに何が受け取れるか
契約の中心は計算書類の監査ですが、園にとっての価値はそれだけではありません。
気づいた問題点を園に説明し、直し方まで示してくれるか。ここが監査の品質の分かれ目です。監査報告書1枚を受け取って終わりなのか、指摘事項の報告と説明の場があるのかを、契約段階で確かめてください。
確認2 — 日程: 来る回数と時期を確かめる
監査には、年度の途中に行う往査 (園を訪れての確認) と、決算後の確認があります。
年度の途中に一度も来ない契約だと、問題の発見が決算後にずれ込み、直す時間がないまま理事会・評議員会の日程を迎えることになります。年に何回・どの時期に来てもらえるかを契約書の記載で確かめてください。
確認3 — 報酬: 外部監査費加算と並べて見る
施設型給付を受ける園なら、外部監査の費用には公定価格の外部監査費加算が手当てされます。加算の額は園の利用定員から機械的に決まります。
だから報酬の確認は、金額単体の高い安いではなく、加算の額と並べることが出発点です。報酬が加算の範囲に収まっていれば、園の実質負担はありません。
確認4 — 終わり方: 交代時の取り決めを確かめる
契約期間が何年か、更新はどう行われるか、途中でやめるときの申し出の期限はいつか。ここは交代を考え始めたときに最初に効いてくる部分です。
あわせて、後任の会計士への引き継ぎに協力する趣旨の定めがあると、交代の負担はぐっと軽くなります。詳しい段取りは関連記事をご覧ください。
Q. 契約書が見当たらないのですが、どうすればよいですか。
まず今の先生に写しをもらってください。そのうえで、上の4項目が書かれているかを確かめ、書かれていなければ次の更新のときに整えるのが自然な進め方です。
Q. 報酬の見直しは、いつ言い出せばよいですか。
契約更新の時期が自然です。園の定員が変わったとき (加算の額が変わるとき) も、報酬と加算のバランスを見直すよい機会です。
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。