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経営情報の報告(見える化) — 令和8年7月から始まった減算と園が出すもの

令和7年4月から、施設型給付を受ける園には毎年の経営情報を都道府県に報告する義務があり、令和8年7月からは報告していない園の公定価格が減額されるようになりました。この記事では、何を・いつまでに・どこへ出すのかと、減算がかかる条件を、法律とこども家庭庁の資料に沿って整理します。

この記事の要点

  • 施設型給付を受ける園は、毎事業年度終了後5か月以内に経営情報を都道府県知事へ報告する(子ども・子育て支援法58条2項)。3月決算なら8月末が期限
  • 令和8年7月から、報告期限を3か月以上過ぎても報告していない園と、誤りを指摘されて概ね1か月以内に直さない園は、基本分単価の5%の減算の対象になる
  • 個別の園について公表されるのは基本情報・人件費比率・職員数・モデル給与。収支計算書そのものは園ごとには公表されず、グループごとの集計結果として公表される

何を、誰に報告するのか

子ども・子育て支援法58条2項は、特定教育・保育施設の設置者に対し、毎事業年度終了後5月以内に、施設ごとの収益及び費用その他内閣府令で定める事項(経営情報)を都道府県知事へ報告するよう定めています。都道府県知事は、そのうち職員の処遇等に関する情報で保護者の施設選びに必要なものを公表し、報告された情報を調査・分析して結果を公表するよう努めるとされています(同条3項・4項)。

対象は、施設型給付・地域型保育給付を受けるすべての施設・事業者です。施設型給付を受けない私学助成の幼稚園には報告義務がなく、個別に公表される項目に限って任意で報告できます。

私立の施設型給付を受ける園が報告する項目と、園ごとに公表される項目
項目報告園ごとの公表
施設の基本情報(名称・所在地・法人の種類・利用定員など)必須公表される
収益と費用の内訳(法人の会計基準に応じた様式)必須園ごとには公表されず、集計・分析結果として公表
人件費比率(収益に対する人件費の割合)必須公表される(該当するグループの平均値も併記)
職員の職種別人員数(基準上の配置と実際の配置)必須公表される
職員の給与(各職員の給与と職種別の給与)必須園ごとには公表されず、集計・分析に使われる
モデル給与(常勤の保育士等は必須、その他の職種は任意)必須(一部任意)公表される
人的資本に関する事項(休暇の取得状況・ICT導入など)制度上は任意の報告。ただし、ここdeサーチの入力画面では「ICTツール・IoTデバイス導入の取組状況」(導入しているかどうか)の設問だけが必須項目で、導入しているツールの内訳や休暇の取得状況などは任意回答した項目は公表される(「非導入」と答えた場合は公表されない)

報告先のシステムは、子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」です。園が入力し、自治体が確認したうえで、同じ画面で公表されます。

期限と減算 — 令和8年7月から

令和8年度の公定価格の見直しで、「経営情報等の報告を行っていない場合」の減算が新しく設けられ、令和8年7月から適用されています。減算額は基本分単価に5%を乗じた額です。

減算の対象になるのは、報告期限から3か月以上経過しても報告していない場合と、誤りのある報告について都道府県か市町村が指摘したのに概ね1か月以内に特段の事情なく適切な報告がされない場合です。減算が続く期間は、事業年度終了から8か月(報告期限の3か月後)がたった日の属する月の翌月分から、報告した日の属する月分までです。指摘に応じなかった場合は、指摘から1か月がたった日の翌月分から、直した月分までです(こども家庭庁の公定価格FAQ)。災害などやむを得ない事情で報告できなかった期間は、市町村が認めれば減算されません。

園の実務 — 決算のあと5か月の段取り

報告に使う数字は、決算書と処遇改善等加算の実績報告書にほぼそろっています。新しく作る資料は多くありません。次の流れで進めてみてください。

経営情報の報告を8月末に間に合わせる段取り

  1. 決算の数字を固める

    計算書類の作成(会計年度終了後3か月以内)と理事会・評議員会の日程を先に押さえ、確定した資金収支の数字を使う

  2. 人員と給与を集計する

    職種別の人員数と職種別の給与総額を、処遇改善等加算の実績報告書の職員別表と同じ基礎資料から作る

  3. モデル給与を書く

    常勤の保育士・幼稚園教諭について、賃金規程に基づき経験年数や役職ごとの基本給・手当・賞与の目安を記載する。こども家庭庁は実態と大きく乖離しないよう求めている

  4. ここdeサーチで申請する

    「経営情報等を入力する」タブに入力し、確認者(自治体)へ申請する。処理状況が「確認待ち」に変わったことを確かめる。設置主体など園側で直せない基本情報が未登録・誤りだと入力に進めないので、その場合は自治体に修正を依頼する。自治体が代理で入力・修正する運用の地域もある

公表される数字は、園の採用にも効く

公表されるモデル給与や人件費比率は、保護者だけでなく求職者も見ます。こども家庭庁の資料も、施設・事業者の前向きな取り組みが情報利用者に伝わることを狙いに挙げています。正確に報告することは減算を避けるためだけでなく、園の説明材料を1つ増やすことでもあります。一度、ここdeサーチで自園の数字がどう見えているかを確かめてみてください。

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