ささき公認会計士事務所 幼稚園・認定こども園の監査専門 無料相談

年度末後に園で起きた出来事 — 重要な後発事象の注記と会計士への連絡

施設型給付を受ける園の決算では、年度末後の事故や災害も、計算書類の注記を検討する情報になります。年度末の数字を直す話との違いと、会計士に伝える内容を整理します。

この記事の要点

  • 年度末後に新しく起き、翌年度以降に重要な影響を及ぼす出来事は注記する
  • 年度末に存在した状態の確認と、年度末後に新しく発生した出来事を分けて考える
  • 会計士への連絡は、日時・事実・資産や運営や資金への影響・資料をそろえることをお勧めします

年度末後の変化は、数字の修正と注記に分けて考える

後発事象は、年度末後に起きた、法人の財政や経営に影響する出来事です。年度末の状態を確かめる「修正後発事象」と、翌年度以降への影響を伝える「開示後発事象」に分けて考えます。

重要な開示後発事象は、計算書類に注記します1。文部科学省掲載の学校法人会計問答集Q29は、重要な修正後発事象については計算書類の修正を行うと説明しています。

根拠:1学校法人会計基準40条14号

年度末後の火災は、新たな損害を年度末に起きたものとして扱う話ではありません。計算書類を読む人に、その後の財産や運営への影響を伝えるための注記を検討します。会計問答集Q29は、係争事件の発生・解決や、募集の停止・再開も例に挙げています。

重要性は一律の金額だけで決めず、法人の規模や財政・経営への影響から判断します(文部科学省掲載の学校法人会計問答集Q1・Q2)。資産の損害だけでなく、教育・保育の継続や資金への影響も整理することをお勧めします。損傷した範囲、使えなくなった施設、復旧に必要な支出を分けておきましょう。

後から知った事実と、後から発生した事実を分ける

知った日と、事実が生じた日は分けて整理することをお勧めします。資料が年度末後に届いた場合も、年度末の状態を裏付ける資料かどうか、会計士と確認しておきましょう。

原則として、年度末後に新たに生じ、翌年度以降に重要な影響を及ぼす出来事は注記を検討します。ただし、年度末後に発生しても、年度末に実質的な原因がすでに存在し、その時点の判断や見積もりの追加的な証拠となる事象は、修正後発事象です。重要な修正後発事象では、計算書類を修正します(文部科学省掲載の学校法人会計問答集Q29)。

年度末の確認と、年度末後の出来事の整理(実務上の検討例)
分かった内容最初に確かめること検討の方向
年度末までの工事の請求書が後から届いた工事の時期、年度末の残高、支払義務当年度の残高や見積もりの見直しを会計士と確認しましょう
年度末後に園舎が火災で損傷した火災の発生日、被害、運営への影響重要な後発事象の注記を検討

損害額が調査中でも、分かる事実から注記案を作る

6高私参第27号の記載例は、年度末後の火災について、損害額と保険の契約金額を示しています。機器備品の損害額は調査中とした形です。

損害額の全部が確定してからでないと、注記案を書けないわけではありません。分かっている事実と、調査中の事項を分けて整理することをお勧めします。

損害額、保険の契約金額、受取額の見込みは、区別して伝えておきましょう。保険の契約金額をそのまま入金予定額として扱わず、確認した資料を添えることをお勧めします。

被害の調査が進んだ場合は、更新した内容が分かる形で資料を整理しておきましょう。前の見積もりと最新の確認結果を区別できます。

事業の継続に重大な疑義が生じるときは、改善のための対応策も含めて会計士と相談しておきましょう。後発事象の注記に加え、ほかに必要な注記がないかも確認することをお勧めします。

会計士には、日時・事実・影響・資料を伝える

重要な出来事が分かったら、担当の会計士へ早めに連絡することをお勧めします。決算と注記の判断を進めるための実務上の勧めです。金額が未確定でも、分かる事実から連絡しておきましょう。

連絡は、日時・事実・影響・資料の4項目に分けてみましょう。次の項目が、短い連絡文を作る目安になります。

  • 日時:いつ起き、いつ把握したかを整理しておきましょう
  • 事実:何が、どの施設や業務に起きたかをまとめておきましょう
  • 影響:資産、教育・保育の運営、資金への影響を分けておきましょう
  • 資料:写真、事故報告、契約書、調査資料等をそろえておきましょう

いまの連絡文で、発生日と、資産・運営・資金への影響を読み取れるでしょうか。連絡後に状況が変わった場合も、確認日と更新資料を添えておくことをお勧めします。

今日、年度末後の資料を見直して確認表に残す

今日の確認では、年度末後の事故報告、工事や保険の資料、運営方針に関する記録を見直すことをお勧めします。出来事ごとに1枚の表へ整理しておきましょう。

年度末後の出来事と会計士への連絡メモ
項目記入欄
発生日時
把握した日時
起きた事実
年度末の状態との関係
資産への影響
教育・保育の運営への影響
資金への影響
確定した内容・調査中の内容
根拠となる資料
会計士への連絡日・追加確認事項

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

決算・監査の日程に合わせて、このメモをいつ更新するか、会計士と決めておくことをお勧めします。注記案を完成させてから相談するより、分かっている事実と未確認の点を一緒に伝えてみましょう。

ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。

交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →

※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。

お知らせ・コラムの一覧へ戻る