「ここdeサーチの更新をお願いします」という自治体からの連絡に、誰が何を入力する画面なのか分からないまま担当者が代わってしまった、という園は少なくありません。この記事では、ここdeサーチの位置づけと、園が入力する情報、登録から公表までの流れを整理します。
ここdeサーチに園が載せる情報 — 更新の手順と疑義情報への対応
この記事の要点
- 園には「教育・保育等情報」を都道府県知事へ報告する義務がある(子ども・子育て支援法58条1項)。ここdeサーチは、その情報を保護者が検索できるようにする国のシステム
- 施設の名称・所在地・開所時間などの基本情報は自治体が登録し、法人・教育保育の内容・職員・利用料などの詳細情報は園が入力する。定員や在籍児童数の欄は園が毎年確かめて更新する
- 令和7年4月からは経営情報の報告も同じシステムで行う。年に1回、決算のあとに基本情報の変更の有無もまとめて見直す
根拠 — 保護者が園を選ぶための情報を報告し、公表する
子ども・子育て支援法58条1項は、特定教育・保育施設の設置者などに対し、教育・保育の提供を開始しようとするときその他内閣府令で定めるときに、教育・保育等情報を都道府県知事へ報告するよう定めています。教育・保育等情報とは、教育・保育の内容と施設の運営状況に関する情報のうち、保護者が適切に施設を選べるよう公表されることが必要なものとして内閣府令で定めるものです。都道府県知事は報告を受けた内容を公表しなければなりません(同条3項)。
ただし、ここdeサーチに載るのは、自治体が施設を登録した園です。施設型給付を受けない幼稚園(私学助成の園)には経営情報等の報告義務がなく、園ごとに公表される項目に限って、園の判断で任意に報告する扱いです。
こども家庭庁の資料では、報告する情報として、運営する法人に関する事項、施設等に関する事項、従業者に関する事項、教育・保育等の内容に関する事項、利用料等に関する事項などが挙げられています。これらを全国一律の画面で検索できるようにしたのが、子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」です。システムの運営は独立行政法人福祉医療機構が行っています。
誰が何を入力するのか
ここdeサーチの情報は、自治体が登録する部分と園が入力する部分に分かれます。園の画面から直せるのは、どこまでなのでしょうか。
| 情報 | 登録・修正する人 | 中身 |
|---|---|---|
| 事業者情報・施設基本情報 | 自治体 | 施設の名称、所在地、連絡先、施設の種別、設置主体、開所時間、利用定員など |
| 施設の詳細情報 | 園 | 法人に関する事項、教育・保育の内容、職員の配置、利用料や実費徴収の額など |
| 経営情報等 | 園(市区町村が確認し、都道府県が公表) | 収益と費用、人件費比率、職員の人員数、モデル給与など(令和7年4月から) |
基本情報は園の画面から直せません。園名や定員が変わったときは、都道府県の保育担当部局のここdeサーチの担当者に修正箇所を伝えて依頼します。都道府県によっては市町村が登録している場合もあります。
設置主体の登録が空欄だったり誤っていたりすると、その先の経営情報を入力できません。基本情報の誤りに気づいたら、経営情報の入力を始める前に自治体へ修正を頼んでおきます。
登録から公表までの流れ
初めて担当する人がつまずくのは、ログインの入口です。流れを順に並べます。
ここdeサーチの登録から公表まで
自治体が施設を登録する
登録が済むと、園宛てにログインIDと初回ログイン用の仮パスワードが書かれたメールが届く。届かなければ自治体に問い合わせる
初回ログインでパスワードを変える
メールのURLからログインし、半角8文字以上で英小文字と数字を含む新しいパスワードを作る
施設の詳細情報を入力する
画面に直接入力するか、Excelの様式に入力してアップロードする。Excelで取り込めるのは詳細情報だけで、経営情報等は画面で入力する
経営情報等を入力する
決算が確定してから入力する。決算期間中で数字が出ていないときは、詳細情報だけを先に申請することもできる
確認者(自治体)へ申請する
「確認者へ申請する」ボタンを押し、処理状況が「申請待ち」から「確認待ち」に変わったことを確かめる。市区町村が内容を確認し、そのあと都道府県が公表する2段階で、確認が済んでから公表までに時間がかかることもある
申請したあとに誤りに気づいたら、どこへ頼めばよいのでしょうか。処理状況によって頼む先が変わります。
年に1回、まとめて見直す
経営情報等の報告は、令和6年4月1日以降に始まる事業年度が対象で、期限は事業年度終了後5か月以内です。情報の更新は、この決算後の報告に合わせて詳細情報も一緒に見直すのが現実的です。次の変更は特に忘れやすいところです。
公表される範囲 — 園ごとに出るのはモデル給与など、収支計算書そのものは出ない
報告した経営情報等のうち、園ごとに公表されるのは、モデル給与や人件費比率など、保護者や求職者が園を選ぶのに必要な項目です。収支計算書そのものが園ごとに公表されることはなく、収支の詳細は施設の類型や規模などでまとめて集計した結果として公表されます。ただし、モデル給与は園ごとに公表されるので、各園の賃金規程に基づき、実態と大きく離れない額を報告します。
なお、公立の施設は収入・支出や職員給与の状況の報告を求められず、園ごとの公表に必要な情報だけを報告します。施設型給付を受けない幼稚園は、園ごとに公表される項目に限り、任意で報告できます。
疑義情報 — 数字の誤りは減算につながる
令和8年7月からは、経営情報等の報告を行っていない場合の減算が始まりました。減算されるのは、報告期限から3か月以上たっても報告していない場合と、誤りのある報告を都道府県や市町村から指摘されたのに、概ね1か月以内に特段の事情なく適切な報告をしない場合です。事業年度終了から8か月(報告期限の3か月後)がたった日の属する月の翌月分から、報告した月分までの間、基本分単価の5%が減算されます(3月決算なら12月分から)。災害その他やむを得ない事情で報告できなかった場合は、市町村が認める期間は減算されません。指摘されやすいのは、給与を年額で書くべき欄に月額を入れる、職員数と給与を報告した人数が合わない、といった入力の食い違いです。
ここdeサーチの入力は「載せて終わり」ではなく、自治体の確認と公表を経て、翌年度の報告につながります。担当が代わっても引き継げるよう、ログイン情報と入力の元になった資料を園で一か所に置いておいてください。
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