ささき公認会計士事務所 幼稚園・認定こども園の監査専門 無料相談

園の決算で使える4つの特例 — 学校法人会計基準48〜50条の条件と選び方

施設型給付を受ける学校法人の園で、4つの会計の特例を選ぶ際の確認事項を整理します。所轄庁・会計監査人・高等学校の有無と、前年からの変更や提出先の指定を確認します。

この記事の要点

  • 48条・49条は、知事所轄、会計監査人非設置、高等学校非設置の法人が対象
  • 50条は、高等学校を設置する法人では活動区分資金収支計算書だけを省略できる
  • 任意の外部監査と法の会計監査人設置は別。特例を使っても注記や監事監査は省略されない

所轄庁と、法の会計監査人の設置状況を先に確認する

特例の入口は、都道府県知事が所轄庁であり、会計監査人を置かないことです。この条件を満たす法人を、会計監査人非設置知事所轄学校法人といいます1。

学校法人は、寄附行為で定めて会計監査人を置くことができます2。選任は、評議員会の決議で行います3。公認会計士と任意の外部監査の契約を結ぶこととは、分けて確認します。

根拠:1学校法人会計基準48条2私立学校法18条2項3同80条1項

公認会計士への依頼の有無だけで判断せず、法人として会計監査人を置いているか確認しておきましょう。設置状況の確認には、法人の寄附行為と選任関係の資料をそろえておくことをお勧めします。

6高私参第27号も、従来の簡略化の通知の対象を、会計監査人非設置知事所轄学校法人に読み替えています。以前の小規模法人という呼び名だけで決めず、現在の設置状況から確かめてみましょう。

高等学校の有無で、使える特例の範囲が変わる

入口の条件を満たしたうえで、法人が高等学校を設置しているかを確認します。園だけを見るのではなく、法人全体の設置学校を確認しておきましょう。この記事では、48〜50条にある4項目の特例を扱います。

徴収不能引当金は、未収入金等の回収が難しい見込額に備える会計上の金額です。第4号基本金は、恒常的に保持すべき資金として定められた額に対応する基本金です1。

根拠:1学校法人会計基準13条1項4号

知事所轄・会計監査人非設置の法人が選べる特例
項目高等学校なし高等学校あり根拠
徴収不能引当金への繰入れ繰り入れない選択可対象外学校法人会計基準48条
第4号基本金への組入れ全部又は一部を省略可対象外学校法人会計基準49条
活動区分資金収支計算書作成省略可作成省略可学校法人会計基準50条
基本金明細書作成省略可対象外学校法人会計基準50条

活動区分資金収支計算書は、お金の動きを活動ごとに分ける書類です。基本金明細書は、基本金の増減等を示す書類です。

高等学校を設置する法人について、50条で省略できる書類は活動区分資金収支計算書に限られます。知事所轄であることだけで、表の全てを使えるとは判断しません。

特例の採否は、項目ごとに選んで説明をそろえる

使える特例の採否は、項目ごとに検討しておきましょう。

採用した会計処理の原則・手続きや書類の表示方法は、毎年度継続して適用し、みだりに変更しません1。前年度と異なる扱いを考えるときは、変更理由を会計士と整理しておきましょう。

選ぶときは、前年度の処理、書類を使う目的、作成の負担を並べることをお勧めします。省略できるという結論だけで終えず、今年の決算をどう作るか整理しておきましょう。

注記には、引当金の計上基準等の重要な会計方針を記載します4。選んだ扱いを、注記と経理規程にそろえておくことをお勧めします。

重要な会計方針を変更したときは、その旨、理由、変更による増減額を注記します5。変更を考える場合は、前年との差を会計士と整理しておきましょう。

根拠:1学校法人会計基準2条4号2同50条3同49条4同40条1号5同40条2号

特例の採否を検討するときは、所轄庁の手引や指示も確認しておきましょう。提出先の指定する様式や書類と、会計基準に沿った処理を整理し、判断がつかない点は所轄庁と会計士へ相談することをお勧めします。

特例を使っても、注記と監事監査の確認は残る

特例を使うときも、該当する注記と監事監査を確認しておきましょう。関連当事者との取引や重要な後発事象等は、学校法人会計基準40条の注記事項に含まれています1。

第4号基本金の基準となる額は、恒常的に保持すべき資金として定められた額です2。

年度末に、その額に相当する資金を有していない場合は、その旨と資金を確保するための対策を注記します3。組入れの特例と資金確保の確認は、分けて整理しておきましょう。

根拠:1学校法人会計基準40条2同13条1項4号3同40条7号

作成・監事監査から評議員会までの日程と保存を確認する

学校法人は、毎会計年度終了後3か月以内に計算書類等を作成します1。特例によって作成しない書類と、引き続き作成する書類を分けておきましょう。

計算書類等は、監事の監査を受けなければなりません2。監査を受けた計算書類等は、監査報告の内容を踏まえ、理事会の決議による承認を受けます3。

定時評議員会の招集通知に際しては、理事会承認後の計算書類・事業報告書・監査報告を評議員へ提供します4。計算書類・事業報告書は定時評議員会に提出し、その内容を報告して意見を聴きます(同条2項・3項)。監査から定時評議員会までの日程も確認しておきましょう。

計算書類とその附属明細書は、作成時から10年間保存します5。特例を使っても、作成した書類の保存方法と保管場所を確認しておきましょう。

根拠:1私立学校法103条2項2同104条1項3同104条3項4同105条1項5同103条4項

今日、適用条件と前年の扱いを1枚で確認する

今日の作業では、適用条件と前年度の扱いを並べて確認することをお勧めします。所轄庁、会計監査人の設置状況、設置学校の一覧を先にそろえておきましょう。

会計の特例の適用条件と採否の確認表
確認項目確認結果前年度の扱い今年度の選択・理由対応資料
所轄庁
法の会計監査人の設置状況
高等学校の設置状況
徴収不能引当金の特例
第4号基本金の特例
活動区分資金収支計算書
基本金明細書
注記・経理規程との対応
前年度からの継続・変更理由
提出先の指定様式・提出書類

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

判断がつかない欄は、前年の計算書類と一緒に会計士へ相談してみましょう。条件を満たすかと、特例を使うかを分けて相談できます。

内訳表等の提出書類についても、所轄庁の案内で確認しておきましょう。注記や附属明細書は、文部科学省の掲載様式を使って整理することをお勧めします。

ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。

交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →

※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。

お知らせ・コラムの一覧へ戻る