3歳の誕生日を迎えた子どもを年度の途中で受け入れる満3歳児保育を始めたい、あるいは始めたものの請求と職員配置に自信がないという園長・事務長の方へ。満3歳児の定義、公定価格の単価の年齢区分、満3歳児対応加配加算の要件、入園の時期と無償化の関係を、法令とこども家庭庁の留意事項通知・FAQに沿って整理します。
満3歳児の受け入れと公定価格 — 単価の年齢区分・満3歳児対応加配加算 (6:1)・入園の時期と無償化
この記事の要点
- 幼稚園に入園できるのは満3歳から小学校就学の始期までの幼児で1、満3歳以上で保育を必要としない子どもの保護者は1号の教育・保育給付の対象になる2
- 公定価格の年齢区分は利用子どもの満年齢に応じた区分を適用し、年度の初日の前日の満年齢で区分した場合と異なるときは、月額調整欄の額に置き替える(こ成保38)
- 満3歳児対応加配加算は、基本分単価で満たすべき年齢別配置基準の職員数とそれを補完する職員数を満たした上で、満3歳児6人につき1人の教員配置をする園に付く(こ成保38)
満3歳児とは — 年度の初日の前日に2歳で、年度の途中に3歳になって入園した子ども
幼稚園に入園することのできる者は、満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児です1。4月の一斉の入園のほかに、3歳の誕生日を迎えた子どもをその月から受け入れるのが、この記事でいう満3歳児の受け入れです。
公定価格では、4歳以上児と3歳児は年度の初日の前日における満年齢で区分します(こ成保38)。満3歳児とは、年度の初日の前日における満年齢が2歳で、年度途中に満3歳に達し入園した者をいいます(こ成保38)。認定こども園では、保育認定の2歳児が年度途中に満3歳になり、教育標準時間認定に認定区分が変わった子どもも、その年度内は満3歳児に当たります(こ成保38)。
教育・保育給付の認定は、満3歳以上で保育を必要としない小学校就学前子どもが1号、満3歳以上で保育を必要とする子どもが2号、満3歳未満で保育を必要とする子どもが3号です2。幼稚園の満3歳児は、1号の認定を受けて教育・保育給付の対象になります3。保護者の就労などで保育の必要性の事由に当たる満3歳以上の子どもも、保護者の希望で幼稚園を利用するときは、教育標準時間認定を受けて利用します(こ成保38)。誕生日の前に市町村で認定の手続きが済むよう、保護者への案内を入園の申込みのときから始めてみてください。
根拠:1学校教育法26条2子ども・子育て支援法19条3同19条1号
原則
教育・保育給付は、満3歳以上で保育を必要としない小学校就学前子どもの保護者に対して、1号として行われる。
子ども・子育て支援法19条1号
ただし
満3歳未満の小学校就学前子どもは、保育を必要とする場合に限り、3号として給付の対象になる。
子ども・子育て支援法19条3号
| 区分 | 満3歳児の扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 認定区分 | 満3歳以上・保育の必要性なしの1号。保育の必要性の事由に当たる子どもも、保護者の希望で幼稚園を利用するときは教育標準時間認定を受けて利用 | 子ども・子育て支援法19条1号・こ成保38 |
| 単価の年齢区分 | 利用子どもの満年齢に応じた区分。年度の初日の前日の満年齢で区分した場合と異なるときは月額調整欄の額 | こ成保38 |
| 配置基準 | 3歳児及び満3歳児20人につき1人 (4歳以上児は30人につき1人) | こ成保38 |
| 無償化 | 幼稚園は3歳になった日から小学校入学前まで | 無償化FAQ Q8 |
単価 — 年齢区分は4歳以上児と3歳児の2つ、年度の途中の誕生日では変わらない
公定価格の単価表 (幼稚園・教育標準時間認定) の年齢区分は、4歳以上児と3歳児の2つです。年齢区分は、利用子どもの満年齢に応じた区分を適用します(こ成保38)。年度の初日の前日における満年齢で区分した場合と年齢区分が異なるときは、基本分単価・処遇改善等加算 (区分1と区分2)・3歳児配置改善加算の単価を、月額調整欄に定める額に置き替えて適用します(こ成保38)。
単価表の4歳以上児の行の月額調整欄には3歳児の行と同じ額が入っているので、3歳児が年度の途中で4歳になっても、単価は3歳児のまま続くと見ています。満3歳児は年度の初日の前日に2歳なので4歳以上児との入れ替わりはなく、入園した月から3歳児の区分の単価で請求することになると考えています。
ただし、月の途中で利用を始めた子どもの公定価格は、その月の額に、利用開始日からの開所日数を日数(教育標準時間認定子どもは20日)で割った割合を掛けた日割りで算定します(こ成保38)。この開所日数は、20日を超えるときは20日として数えます(こ成保38)。誕生日に合わせて月の途中で入園した月は原則として日割りの額ですが、利用開始日からの開所日数が20日以上あれば1か月分と同じ額になります。請求の前に、市町村の請求の様式で満3歳児の人数をどの欄に書くかを確かめてみてください。
配置基準と満3歳児対応加配加算 — 基本の配置を満たした上で、6人に1人なら加算
基本分単価の必要教員数は、年齢別配置基準と学級編制調整加配を合計した数で、園長などは除いて数えます(こ成保38)。年齢別配置基準は4歳以上児30人につき1人、3歳児及び満3歳児20人につき1人で、学級編制調整加配は教育標準時間認定の利用定員が31人以上300人以下の施設に1人です(こ成保38)。
確認の算式は、4歳以上児数に30分の1を掛けた数と、3歳児及び満3歳児数に20分の1を掛けた数を、それぞれ小数点第1位まで計算して足し、小数点以下を四捨五入した数です(こ成保38)。常勤以外の職員は常勤換算の算式で充足を確かめ、学級担任は原則として常勤専任です(こ成保38)。
満3歳児対応加配加算は、満3歳児に係る教員配置を満3歳児6人につき1人により実施する施設に付きます(こ成保38)。ただし、加算の認定には、基本分単価で満たすべき年齢別配置基準職員数と、それを補完する職員数を満たした上で、加算で求める職員数を満たすことが要ります(こ成保38)。満3歳児の実人数が6人を下回っても、算式で配置基準上の教員数を満たせば適用されます(こ成保38)。
こども家庭庁のFAQは、満3歳児加算は3歳児全員に適用されるのではなく、満3歳児の配置基準を6人につき1人とする場合に満3歳児のみに適用されるとしています(FAQ No.26)。
加算の適否は各月初日の状態で判断し、年度の途中で変わったときは、変わった日の属する月の翌月(月初日に変わったときはその月)から単価が変わるのが原則です(FAQ No.70)。ただし、年度当初から手厚く教員を配置し、年度途中から満3歳児を受け入れて6対1の配置が実現している場合は、受入れがされた時点からその年度内まで加算が適用されます(FAQ No.27)。
加算の認定は施設が所在する市町村が行い、設置者からの申請を徴して確認します(こ成保38)。要件に適合しなくなった日の属する月の翌月 (月の初日に適合しなくなった場合はその月) からは加算の適用が無くなります(こ成保38)。満3歳児が転園で減り、算式で配置基準上の教員数を満たさなくなる月が出ないか、名簿で先に見ておきましょう。
今日の作業 — 受け入れ計画表を作る
満3歳児の受け入れの段取り
名簿を作る
入園予定の子どもを誕生日順に並べ、月ごとの満3歳児の人数 (累計) を出す
配置を決める
20人につき1人の基本の配置か、6人につき1人の加算の配置かを決め、教員を増やす月を決める
認定と申請を確かめる
保護者の1号認定の手続きの時期と、加算の申請の様式・提出先を市町村に確かめる
請求の欄を確かめる
満3歳児を3歳児の欄に書くかを請求の様式で確かめ、入園した月から請求する (月の途中の入園はその月を日割り)
保護者への説明をそろえる
無償化の対象になる時期と、実費 (給食費・バス代) の額、副食費の免除の対象を入園のしおりに書く
| 月 | 満3歳児 (累計) | 3歳児 (満3歳児を除く) | 4歳以上児 | 配置基準上の教員数 (20対1 / 6対1 の算式) | 実際の教員数 | 加算の申請 (済・未) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4月 | |||||||
| 5月 | |||||||
| 6月 | |||||||
| 7月 | |||||||
| 8月 | |||||||
| 9月 | |||||||
| 10月 | |||||||
| 11月 | |||||||
| 12月 | |||||||
| 1月 | |||||||
| 2月 | |||||||
| 3月 |
園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。
出典
- e-Gov法令検索 学校教育法 (26条)
- e-Gov法令検索 子ども・子育て支援法 (19条)
- こども家庭庁 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について (令和5年5月19日 5文科初第483号・こ成保38、最終改正 令和8年4月8日) 別紙1 (幼稚園) 年齢区分・基本分単価・満3歳児対応加配加算
- こども家庭庁 公定価格に関するFAQ (よくある質問) 第32版 (令和8年7月24日時点版) No.8・26・27・70
- こども家庭庁 公定価格の単価表 (令和8年度) 別表第2 幼稚園 (教育標準時間認定)
- こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化制度でよくあるご質問 (1) Q8 (幼稚園は3歳になった日から)
ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。
交代のご相談 (無料・守秘義務あり) →※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。