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施設型給付費の請求を年度内に点検する — 加算の届出・認定区分の変更・実績報告で戻りが出ないために

毎月の施設型給付費の請求は「前の月と同じ」で流れていきがちですが、年度が終わってから市町村の確認や指導監査で戻りが出ると、園の資金繰りと信用の両方に響きます。この記事では、施設型給付を受ける幼稚園・認定こども園が年度内に自分で点検しておく項目を、公定価格FAQの決まりに沿って整理します。

この記事の要点

  • 給付費は各月初日の在籍と認定区分で決まり、加算の適否も各月初日の状態で判断する。要件を満たさなくなった月の翌月から単価が変わるので、変更は自分から申請し直す
  • 利用者負担額の徴収を誤っても給付額は変わらず、公費で補填もされない。定員の恒常的な超過(2年度連続・年間平均在所率120%以上)と、令和8年7月からの安全計画・経営情報の報告の減算は年度内に見ておく
  • 外部監査費加算は3月分の請求にだけ載る。年明けに要件と書類を確かめ、処遇改善等加算の実績報告に備えて賃金台帳を整えておく

給付費は「各月初日」で決まる

公定価格FAQによると、給付費は各月初日の在籍児に係る分をその月中に支払い、月途中の入退所の分は翌月の支給時に併せて支払うのが基本です。月の途中で入った子どもの分は、教育標準時間認定なら「単価 × その月の開所日数 ÷ 20日」、保育認定なら「÷ 25日」で日割りされます(FAQ 第31版 No.73・74)。

加算の適否も各月初日の状態で判断します。年度の途中で加算の要件を満たした、または満たさなくなった場合は、変わった日の属する月の翌月(月初日に変わったときはその月)から単価が変わります。国は毎月の申請書の提出までは求めていませんが、要件を満たさなくなったときは園から改めて申請書を出して翌月から新しい単価を適用する取扱いで、指導監査で事後的に各月の状況と加算の適用の整合性を確認するとされています(No.70)。

年度内に見ておく項目 — 認定区分・定員・配置・報告

年度内の点検項目と、公定価格FAQ・見直し事項の決まり
点検項目見るところ
認定区分の変更月の途中で認定区分が変わったときは翌月から新しい単価(月初日に変わったときはその月)。市町村の認定の変更と請求の区分がそろっているか
利用者負担額徴収額を誤っても未納でも給付額は変わらない(No.75)。誤りは園が保護者に対して正す
定員の超過利用定員の範囲内が原則。連続する過去2年度間常に超過し、かつ各年度の年間平均在所率が120%以上なら減算(No.16)。令和7年度の見直しで減算の適用開始までの期間は短縮されている
職員の配置年齢別配置基準を下回る場合の減算は、令和8年度に適用のタイミングが見直された。月ごとに配置を確かめる
安全計画・経営情報の報告令和8年7月から、安全計画の策定等をしていない場合と経営情報等の報告をしていない場合に減算
主幹教諭等の専任加算など兼務の有無や取組の実施が要件。要件を欠いた月の翌月から外れる

減算の側で見落としやすいのが定員です。年度途中の利用希望の増加で利用定員を超えて受け入れても実際の人数で給付は行われますが、恒常的な超過になると各月初日の利用子ども数の区分と地域区分に応じた調整率で減算され、利用定員の見直しの指導も入ります(No.16)。2年連続で超えそうなら、減算を待つ前に利用定員の変更を検討する段階です。

3月分の請求 — 外部監査費加算と実績報告の準備

外部監査費加算は毎月の給付費には含まれず、3月分の給付費に年1回だけ上乗せされます。加算の要件は、学校法人が私学助成の交付を受ける際の外部監査と同等のもので、人件費支出内訳表も監査対象に含まれます(FAQ No.250・251)。年明けには、監査の実施を示す書類の提出の要否と請求の様式を市町村に確かめ、3月の請求に含める段取りを組んでおきます。

3月分の単価に上乗せされる加算は、外部監査費加算だけではありません。令和8年度に創設された保育ICT推進加算は、幼稚園・保育所・認定こども園で30万円を3月初日の利用子ども数で割った額を、3月初日の利用子どもの単価に加算する仕組みです(令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項)。3月の請求は、年1回の加算をまとめて点検する月だと考えてください。

処遇改善等加算は、年度が終わったあとの実績報告で賃金改善の実績が加算額に届いているかを見られます。届いていなければ差額を賃金として支払うことになるので、3月の時点で改善額と加算額を突き合わせ、残額の見込みがあれば翌年度内の支払いの計画まで立てておきます。

年度内の点検の時期

  1. 毎月の請求前

    月初日の在籍・認定区分・職員配置を前月と比べ、変わっていれば申請書を出し直す

  2. 12月ごろ

    人事院勧告を踏まえた改定後の単価と、翌年度の見直し事項を確かめる

  3. 1月から2月

    外部監査費加算の要件と書類、定員の超過の見込み、安全計画と経営情報の報告の状態を確かめる

  4. 3月

    3月分の請求に外部監査費加算を含め、処遇改善等加算の改善額と加算額を突き合わせる

  5. 入金後

    試算額と入金額を突き合わせ、ずれがあればその月のうちに市町村に問い合わせる

「請求は事務の人に任せている」— そんな園ほど、園長・理事長が年に1度はこの表で全体を見ておくと安心です。あなたの園の請求で、前の月と変わったのに出し直していない項目はないでしょうか。加算の額は当サイトのシミュレーションで、園の定員と人数からその場で確かめられます。

ご相談・お見積りは無料です。現在の先生に知られることはありません。

外部監査費加算を試算する

※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。

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