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障害のあるこどもの受け入れと公定価格 — 療育支援加算の令和8年度の見直しと専門職の配置・園の会計での置き方

「発達に心配のある子を受け入れたい。加算はどう変わったのか」— 令和8年度の公定価格の見直しで、療育支援加算に専門職を活用する区分が加わり、取組の内容が要件になりました。この記事では、こども家庭庁が示した見直し事項をもとに、加算の2つの区分と要件、令和8年9月末までの経過措置、専門職の保育士みなし特例、園の会計での置き方を整理し、要件の確認表を写して使える形にまとめます。

この記事の要点

  • 療育支援加算は令和8年度から、主任保育士等を補助する職員の配置 (従来の形) と、理学療法士・言語聴覚士などの専門職を配置または嘱託する区分の2つになった。どちらか一方だけを算定できる
  • 障害児の把握、個別の支援計画に基づく教育・保育、通所支援事業所との連携、家族への支援、地域と連携したインクルージョンの5つの取組が要件になった。令和7年度に算定していた園は、令和8年9月末までは従前の取組でも算定できる
  • 加算は施設型給付費の一部として市町村から園に入る。公定価格は内閣総理大臣が定める基準で算定され、利用者負担額を引いた額が給付される1。私立保育所だけは、法律の附則の定めにより委託費として支払われる

根拠:1子ども・子育て支援法27条3項・5項

療育支援加算の令和8年度の見直し — 代替職員の配置から、専門職の活用へ

療育支援加算は、主任保育士等が地域の子どもの療育支援に取り組むために、主任保育士等の代替職員を配置する園に付く加算でした。こども家庭庁の「令和8年度公定価格・基準等の見直し事項」は、障害のあるこどもや医療的ケア児の利用が増え、児童発達支援との併行通園も進む中で、専門職を活用 (配置または嘱託) するための費用を算定できる新たな区分を設けるとしています。対象は幼稚園・保育所・認定こども園で、家庭的保育事業・小規模保育事業・事業所内保育事業にも専門職の活用を内容とした療育支援加算が新設されました。

令和8年度の療育支援加算の区分 (幼稚園・保育所・認定こども園)
区分内容算定できる園
主任保育士等を補助する職員の配置 A特別児童扶養手当の支給対象児童を受け入れる施設特別児童扶養手当の対象児童の受入施設だけ
主任保育士等を補助する職員の配置 Bそれ以外の障害児を受け入れる施設障害児を受け入れる施設
専門職配置等 C専門職を月90時間以上 (週3日程度を想定) 活用特別児童扶養手当の対象児童の受入施設か、定員90人以上の施設だけ
専門職配置等 D専門職を月60時間以上 (週2日程度を想定) 活用障害児を受け入れる施設

代替職員の配置と専門職配置等は、いずれか一方だけを算定できます。単価は公定価格の単価表 (告示) に載るので、自園の定員区分と地域区分で市町村の資料を確かめてください。

要件になった5つの取組 — 記録を残す形に変える

見直し事項は、次の5つの取組を求める (取組の必須化) としています。

療育支援加算の5つの取組と、園で残す記録
取組中身園で残す記録
1 対象となる障害児の把握施設内で対象児の一覧を作り、職員間で共有する対象児の一覧 (名前は園の中だけ)
2 障害特性等に応じた教育・保育の実践保護者と連携して個別の支援計画・個別の指導計画を作り、実施し、見直す個別の支援計画・指導計画とその見直しの記録
3 障害児通所支援事業所等との連携強化連携して個別の支援計画を作り・見直し、事業所の支援内容を把握する連携先との打合せの記録
4 障害児の家族への支援相談体制、個別面談、保護者同士の交流、ペアレントトレーニングなど面談・交流の実施記録
5 地域の関係機関と連携したインクルージョン推進児童発達支援センター等が行う会議や研修への参加など参加した会議・研修の記録

令和8年度の療育支援加算の経過措置

  1. 4月令和8年度の見直しの適用
  2. 9月末令和7年度に算定していた園が、主任保育士等を補助する職員の配置の単価を従前の取組で算定できる期限
  3. 10月5つの取組を行っていることが要件

従前の取組で算定してきた園は、9月末までに5つの取組の記録の形を作っておきます。

令和7年度に療育支援加算を算定していた園について、見直し事項は、主任保育士等を補助する職員の配置の単価を算定する場合は準備期間として令和8年9月末日までは従前の取組でも算定できるとしています。この経過措置は代替職員の配置の区分の話で、専門職の新しい区分には準備期間の記述がありません。

専門職の保育士みなし特例 — 保育所と認定こども園で1人まで

見直し事項は、療育支援加算の見直しとあわせて、専門職について1人に限り職員配置基準で保育士とみなすことができる特例を設けるとしています。対象は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員、または障害児の療育の指導の業務に5年以上従事した経験のある人で、いずれも子育て支援の業務に3年以上の経験があることが条件です。見直し事項によれば、この5年以上の経験とは、障害児通所支援等の業務に従事した経験があり、かつ児童発達支援センターや保育所等訪問支援事業所などで他機関への障害児支援の助言等の業務に5年以上従事したことをいいます。

専門職が保育を行うときは、保育士の支援を受ける体制が求められます。この特例は、保育所のほか認定こども園、小規模保育事業所、事業所内保育事業所にも設けられます。

原則

施設型給付費の額は、内閣総理大臣が定める基準により算定した費用の額から、市町村が定める利用者負担の額を引いた額で、加算はこの基準の中で算定される。

子ども・子育て支援法27条3項

ただし

加算を受けた園は、市町村からの給付費の請求について、基準と市町村の条例で定める運営の基準に照らした審査を受ける。

子ども・子育て支援法27条7項

保育所と認定こども園では、看護師等のみなし特例と専門職のみなし特例を併用して2人を保育士とみなすこともできますが、その場合はそれぞれ別の保育士から支援を受ける体制が要ります。幼稚園の学級担任は幼稚園教諭の配置なので、このみなし特例は保育の必要な子ども (2号・3号) を受け入れる園の話です。医療的ケア児に対応する体制の公定価格での対応は、令和9年度に向けて検討するとされています。

園の会計での置き方 — 収入は給付費、支出は人件費か嘱託の費用

加算は施設型給付費の一部として、市町村から園に入ります。給付は法律上は保護者への給付ですが、市町村が保護者に代わって園に支払う仕組みです1。私立保育所だけは、子ども・子育て支援法の附則の定めにより、施設型給付費ではなく委託費として市町村から支払われます。この記事は、施設型給付費を受ける幼稚園と認定こども園の形で書いています。

根拠:1子ども・子育て支援法27条5項2学校法人会計基準別表第二

療育支援加算の要件の確認表 (令和8年度)
確かめる項目自園の状態記録の置き場済
算定する区分 (代替職員の配置 A・B / 専門職配置等 C・D)
専門職の資格と、子育て支援の業務3年以上の経験
専門職の月の時間数 (90時間以上 / 60時間以上)
取組1 対象児の一覧と職員間の共有
取組2 個別の支援計画・指導計画の作成と見直し
取組3 通所支援事業所等との連携
取組4 家族への支援 (相談・面談・交流)
取組5 地域の関係機関との連携 (会議・研修)
経過措置を使う場合、令和8年9月末までの切替の予定

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

まとめ — 区分を選び、5つの取組を記録に残す

令和8年度の療育支援加算は、代替職員の配置か専門職の活用かを選び、5つの取組を行っていることを記録で示せる園に付く加算になりました。令和7年度から算定してきた園は9月末までに記録の形を整え、これから算定する園は専門職の嘱託の契約から組み立ててみてください。あなたの園には、対象になる子どもの一覧と個別の支援計画があるでしょうか。

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※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する助言ではありません。内容は執筆時点の法令・通知等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、公認会計士等の専門家にご相談ください。

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