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職員の給食代と現物給与 — 職員が食べる給食の負担と所得税の非課税の線・園の会計での置き方

「職員も園児と同じ給食を食べているが、給食代を給与から引くべきか、引かないと税金がかかるのか」— 園を運営する学校法人の事務長・給与担当の方に向けた記事です。この記事では、職員に支給する食事が給与にならない線、食事の価額の決め方、現金で渡す場合や残業のときの扱い、園の会計での置き方を整理し、月ごとの判定に使える計算表にまとめます。

この記事の要点

  • 職員に支給する食事は、本人が食事の価額の半分以上を負担し、園の負担(価額から本人負担を引いた額)が月額7,500円以下なら、食事の支給による経済的利益はないものとされ、給与にならない(所得税基本通達36-38の2)。7,500円は令和8年の通達の改正後の額
  • 食事の価額は、園が調理する給食なら材料などに要する直接費の額、購入した弁当なら購入価額で評価する(所得税基本通達36-38)
  • 現金で食事代を渡すと原則として全額が給与。残業や宿日直の食事は、通常の勤務時間外の勤務として行った職員に支給するものに限り、無料でも課税しなくてよい。園の会計では、職員から徴収する給食代の置き方を規程で決めておく

まず結論 — 半分以上の負担と、園の負担が月7,500円以下

役員や職員に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。本人が食事の価額の半分以上を負担していること、そして食事の価額から本人の負担を引いた額が1か月あたり7,500円(消費税を除く)以下であることです。

職員の給食の課税の判定(令和8年4月1日現在の取扱い)
場合課税
本人が価額の半分以上を負担し、園の負担が月7,500円以下給与として課税されない
本人の負担が価額の半分未満価額から本人負担を引いた残額の全部が給与
本人の負担は半分以上だが、園の負担が月7,500円を超える残額の全部が給与
食事ではなく現金で食事代を補助する原則として補助の全額が給与
通常の勤務時間外の残業や宿日直に対して支給する食事無料でも課税しなくてよい(通常の勤務時間内の宿日直は対象外)

ご自身の園では、職員から給食代をいくら徴収していて、1食あたりの材料費はいくらになっているでしょうか。この2つの数字がそろえば、判定はその場でできます。

2つの要件 — 所得税基本通達36-38の2

原則

使用者が役員や使用人に支給した食事について、本人から実際に徴収している対価の額が、その食事の価額の50%相当額以上である場合には、食事の支給による経済的利益はないものとされます。

所得税基本通達36-38の2

ただし

食事の価額から実際に徴収している対価の額を引いた残額が月額7,500円を超えるときは、この取扱いは適用されません。

所得税基本通達36-38の2

この7,500円は令和8年の通達の改正で引き上げられた額で、令和8年4月1日現在の取扱いです。改正前の額で判定していた園は、令和8年分の給与から判定をやり直しておきましょう。

判定の例(金額はすべて1か月あたり)
食事の価額(月額)本人の負担(月額)園の負担(月額)判定
13,000円6,000円7,000円半分未満なので、7,000円が給与
13,000円6,500円6,500円半分以上・7,500円以下なので、課税されない
20,000円10,000円10,000円半分以上だが7,500円超なので、10,000円が給与

食事の価額の決め方 — 調理なら直接費、購入なら購入価額

食事の価額は、次のように評価します(所得税基本通達36-38)。

  1. 園が調理して支給する食事は、その食事の材料などに要する直接費の額
  2. 弁当などを購入して支給する食事は、その購入価額

給食の調理を外部の業者に委託していても、園が施設を無償で使わせ、材料などを提供している場合は、園が調理した場合と同じく直接費で評価します。委託先から完成した食事を買い取る形なら、購入価額です。判定の金額は消費税と地方消費税を除き、10円未満の端数は切り捨てます。

現金で渡す場合と、残業のときの食事

食事そのものを支給するのではなく、現金で食事代を補助する場合は、補助の全額が給与として課税されます。例外は、深夜勤務者に夜食を支給できないために1食あたり650円以下の金額を支給する場合だけです。

原則

残業や宿日直の食事を除き、職員に支給する食事は、本人が価額の50%以上を負担し、園の負担が月額7,500円以下のときに、経済的利益はないものとされます。

所得税基本通達36-38の2

ただし

通常の勤務時間外の勤務として残業または宿直・日直をした職員に、その勤務をすることにより支給する食事は、無料で支給しても課税しなくて差し支えないとされています。

所得税基本通達36-24

園の行事で遅くまで残る日の弁当のように、通常の勤務時間外の残業や宿日直に対して出す食事が、この例外に当たります。宿直や日直が通常の勤務時間内の勤務になっている職員に出す食事は、この例外の対象外です。例外に当たる食事はふだんの給食と分けて記録しておくと、判定の月額から外せます。

園の会計での置き方 — 徴収した給食代の科目と注記

職員から徴収する給食代は、園の収入です。資金収支計算書と事業活動収支計算書の科目は学校法人会計基準の別表に定められており、食堂など教育活動に付随する活動に係る事業の収入は補助活動収入の区分にあります1。園児の給食費との区分を含めて、どの科目に置くかは経理規程で決めておきます。

根拠:1学校法人会計基準別表第三

給食の材料費と職員からの徴収額を相殺して純額で載せる場合は、注記の要否を含めて確かめる点があるので、関連記事「給食費・預かり保育料の科目 — 純額で載せる前に確かめる3つのこと」を先に読んでおきましょう。総額で載せるか純額で載せるかを規程で決め、毎年同じ形にすることが、監査で見られる点です。

職員の給食の月ごとの判定表
月給食の材料費の合計園児と職員の食数の合計1食あたりの価額職員の食数職員分の価額(月額)本人負担の徴収額(月額)園の負担(月額)半分以上か7,500円以下か

園の会計や監査の準備で迷うところがあれば、無料相談でお聞きください。

まとめ — 半分・7,500円・直接費の3つを毎月そろえる

職員の給食が給与にならない線は、本人が価額の半分以上を負担すること、園の負担が月7,500円以下であること、価額は材料費などの直接費で数えることの3つです。令和8年4月1日現在の7,500円で判定し、上の判定表に月ごとの数字を入れておけば、年末調整と監査のどちらにもそのまま使えます。

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