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幼稚園から認定こども園へ移行するときのお金 — 施設整備交付金・収入の変わり方・会計の区分と監査

「2号・3号の子どもも受け入れたい」と考え始めた施設型給付の幼稚園にとって、認定こども園への移行はお金の面で何が変わるのかが最初の関心事です。この記事では、施設整備に使える交付金、収入の変わり方、学校法人会計での扱い、監査で見られる点を、移行を検討する園の目線で整理します。

この記事の要点

  • 園舎の改修や増築には就学前教育・保育施設整備交付金が使える。負担割合は原則 国1/2・市区町村1/4・設置主体1/4で、幼稚園の認定こども園への移行に伴う整備も対象
  • 収入は「1号の教育標準時間の単価」に「2号・3号の保育認定の単価と利用者負担額」が加わる形になり、単価の定員区分は園全体の利用定員で見る
  • 学校法人のまま運営するので会計は学校法人会計基準のまま。ただし補助金で取得した園舎の会計処理と、保育の部分に対する市町村の確認・指導監査が新しく加わる

施設整備 — 交付金の負担割合と「国庫補助を受けると使えない加算」

認定こども園への移行で園舎の改修・増築が要る場合、こども家庭庁の就学前教育・保育施設整備交付金の対象になります。対象事業には幼保連携型認定こども園整備事業と認定こども園整備事業(保育所型・幼稚園型)があり、対象施設として「幼稚園(認定こども園への移行に伴うもの)」が明記されています。設置主体には学校法人が含まれます。

補助割合は原則として国1/2・市区町村1/4・設置主体1/4です。待機児童対策や人口減少対策に当たる整備では国の補助率が2/3に嵩上げされる仕組みもあります。

認定こども園の場合、待機児童対策の嵩上げは「保育所部分」に限られますが、人口減少対策の嵩上げは令和8年度の拡充で「保育所部分」に加えて「教育部分」にも適用されます。どちらに当たるか、また市区町村の実施計画の採択があるかで変わるので、市区町村に確認する項目です。実施主体は市区町村なので、園が国に直接申請するのではなく、市区町村の整備計画に載る形で進みます。

就学前教育・保育施設整備交付金の負担割合(こども家庭庁 令和8年度予算資料)
区分市区町村設置主体(園)
原則1/21/41/4
補助率の嵩上げに当たる整備2/31/121/4

収入の変わり方 — 2号・3号の単価と利用者負担額が加わる

施設型給付の幼稚園の収入は、1号認定の子どもの公定価格(教育標準時間認定の単価)が土台です。認定こども園になると、2号・3号認定の子どもの公定価格(保育認定の単価)が加わり、3号については市町村が所得に応じて定める利用者負担額を保護者から受け取る形になります。3〜5歳の1号・2号は無償化で利用者負担額が0円なので、公定価格の全額が給付費として入ります。

単価表のどの列を見るかを決める「定員区分」は、1号と2号・3号で分けて見ます。公定価格FAQは、2号・3号の子どもには2号定員と3号定員を合計した定員の単価を適用するとしています(No.77)。利用定員100人(1号10人・2号60人・3号30人)の認定こども園の例では、1号は教育標準時間認定の単価表の「15人まで」、2号・3号は保育認定の単価表の「81人から90人まで」の単価をそれぞれ適用すると示しています(No.78)。園全体の100人で見るのではない、ということです。

ここは思い違いが起きやすいところではないでしょうか。外部監査費加算の単価だけは、1号・2号・3号を合わせた園全体の利用定員で決まります。基本分単価の定員区分と外部監査費加算の定員区分は、見る定員が違うのです。

会計 — 学校法人会計基準のまま、補助金と資産の処理が増える

学校法人が認定こども園に移行しても、会計は学校法人会計基準のままです。変わるのは中身で、交付金で取得した園舎の処理が新しく加わります。交付金は施設整備の補助金として収入に計上し、取得した園舎は固定資産として計上したうえで、教育の充実向上のために取得した固定資産の額を第1号基本金に組み入れます(学校法人会計基準13条1項)。減価償却はその後毎年続きます。

自己資金と借入で賄う部分の資金計画も、移行前に決めておく項目です。借入金の返済は資金収支計算書には出ますが事業活動収支計算書には出ないため、「収支差額は黒字なのに資金が減る」形になりやすく、返済予定と減価償却を並べた長期の見通しを持っておく必要があります。

移行前に整えておくお金の書類

  1. 収支の試算表

    認定区分ごとの人数 × 単価に、利用者負担額・実費徴収・加算を載せた移行後の年間収支

  2. 資金計画

    整備費の総額を交付金・自己資金・借入に分け、返済予定と減価償却を年ごとに並べる

  3. 基本金の組入計画

    取得する園舎の額と第1号基本金への組入れ、必要なら移行前の積み立て(第2号基本金)の計画

  4. 部門と科目の整理

    保育の部分の収入と支出をどの科目で受けるかを、監査人と決めておく

監査 — 外部監査費加算は続き、市町村の確認が加わる

認定こども園も施設型給付を受ける施設なので、公認会計士または監査法人による外部監査を受ければ外部監査費加算の対象です。加算の単価は施設の類型と園全体の利用定員で決まり、認定こども園は1号・2号・3号を合わせた利用定員で見ます。移行で利用定員が増えれば、加算の単価の区分も動きます。

一方で、保育の部分については市町村の確認と指導監査が加わります。外部監査を受けている園の会計は指導の対象から外すことができる定めがありますが、できる規定なので取り扱いは自治体で異なります。移行の相談の中で、市町村にあわせて確かめておくとよい点です。

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